翻訳者になることを目指して毎日勉強に励んでいたころ、勉強法について「今までのやり方だけでいいのかなぁ・・・」と悩んでいたことがあります。
それは英文読解の勉強の教材についてです。
TOEICのリーディングの教材にしろ、翻訳学校で出される課題にしろ、そこに記載されている英文は文法・構文的に非常にしっかりしています。
そのため、当時の私はそれらの教材を使って勉強していても、その教材上では文法・構文で悩まされることはあまりなくなっていました。
その一方で、例えば英文小説、英字新聞のコラム、英字論文などを読み始めると、あいかわらず、すぐに文法・構文につまずいてしまいます。
どうしてなのだろう?
悩みぬいて、自分なりに至った結論は
「TOEICの英文や翻訳学校で出される課題の英文は、文法・構文的にきれいすぎる(癖がなさすぎる)」
というものでした。
この結論は確信に近いものだったので、文法・構文的に癖のある文章を読むための勉強ができる教材を探す必要に迫られ、探し始めました。
しかし、そうした教材を見つけるのは簡単ではありませんでした。
何か月も何か月も探し続けて、ようやくある書籍に巡り合いました!
そしてその書籍は私の悩みに一発回答してくれたのです。
その書籍の名は・・・
英文解釈教室(伊藤和夫著、研究社)です!
この本は、本当に素晴らしかった!何か月も探し続けてようやく自分の悩みに一発回答してくれた書籍ですからね。それはもう、本当にありがたかったです。
しかも、この本、驚くべきことに大学受験用の教材なんです。「大学受験用の教材、恐るべし!」と思ってしまいました。
大学受験用の教材は、発行部数が多いためか、値段もリーズナブルです。翻訳学習用の教材よりずっとお得感があります。
(私が当時使っていたこの書籍のバージョンでは、初めに例題の英文があって、その後に詳しい解説があり、その後に全訳が載っている、という構成でしたが、その後改訂があったようで、今では、例題の英文、詳しい解説の順番はそのままで、全訳は別冊に記載されているみたいですね。)
この本で勉強を進めるにつれ、癖のある文章が次第に読めるようになってきました。1回通しで勉強し終わるころ(数ヶ月かかりました)には、英文読解のレベルが1段階向上したことが実感できました。
あまりにも有益であったので、1回通しで勉強し終わった後、すぐに2周目に突入したほどです。そして2週目を勉強することで、さらに力がついたことが実感できました。
私が今、翻訳者として英日翻訳の業務をこなせているのは、この本で培った英文読解力が礎になっている、と断言できます。
今では電子書籍版もでているようですので、以下にリンクを貼っておきますね。
ただ、ご注意いただきたいのは、この書籍に載っている英文、相当レベルが高いです。
私がこの書籍で勉強を開始したころ、TOEICスコアはすでに900を超えていましたが、それでもこの本には相当苦戦させられました(だからこそ力がついた、ともいえるのですが)。
この本が難しすぎると感じられる場合は、「入門編」と「基礎編」もあるそうなので、まずそちらで勉強するのも1つの手なのかもしれません。
「入門編」と「基礎編」のリンクも一応貼っておきますね。
入門編
英文解釈教室(入門編) [ 伊藤和夫(1927-1997) ]
基礎編
英文解釈教室(基礎編) [ 伊藤和夫(1927-1997) ]
私は入門編と基礎編を使うことはなかったのですが、無印版と同じコンセプトで書かれている本なので、役に立つことは請け合いだと思います。
本当におススメの本なので、ぜひ一度手に取られてみてはいかがでしょうか。(了)