11月より、ペパボでは2021年度新卒採用がはじまります。毎年多くの学生さんが、緊張した面持ちで企業訪問をするこの季節。ペパボにも毎年多くの学生さんにお越しいただきます。そこで今回は新卒採用担当 あちゃが、常務取締役の星さんに、就職活動についてお話聞いてみました。
星 隼人(ほし はやと)
Twitter:@glover
あだな:ほっしゃん
常務取締役。 主に Excel のセルとセルを結合したり解除したり、色をつけたりしながらインターネットの荒波を泳いでいる。
福場 麻美(ふくば あさみ)
Twitter:@achamixx
あだな:あちゃ
HR統括部HR統括グループ人事企画チーム 採用担当。最近ハマっているものはアニメと料理。
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就職なんてしたくなかった
あちゃ:本日はよろしくお願いします。早速ですが星さんの学生時代の就職活動ってどんな感じでしたか?
星:僕の学生時代は、電話帳くらい分厚い(そもそも電話帳を知らないか・・・)雑誌があって、そこに付いているハガキを使って、興味ある会社にハガキを送って資料請求するという活動の仕方でしたね。
多分リクナビとかもあった気がするけど、そもそも就活をちゃんとやってないからあんまり覚えてないですね。
あちゃ:今と全然違いますね…!
星:ね。今は完全にインターネットだもんね。で、大学3年生になると、毎晩一緒に飲んでいた仲間が、急にリクルートスーツとか買いだして、やれ自己分析だ、他己分析だって始めたんです。僕はそれが嫌だったんですよね。
したい事もなかったし、したい事が無いのに、企業訪問とかするのも嫌だったし。まぁ正直行くのがめんどくさかったんです。でもNHKのアナウンサー試験だけは受けたんです。億が一、受かったらおもしろいなって思って。結構いいところまでいったんですけど、落ちちゃって。
でも、大学の単位は要領よく取れていたので、卒業できるようになっちゃったんです。
あちゃ:就職をせずに何をされていたんですか?
星:学生時代から身体障がい者支援施設でのアルバイトをしていたのでそれを続けていました。
そのアルバイトをはじめたきっかけとして、高校生の時、都営三田線に乗っていたら障がいを持った方が乗車してきて、その車両の空気が一瞬変わったんですよね。
それになんとなく違和感を感じて、なんでかなぁと思ったんだけど、要するに僕はそういう障がいを持った人と関わったことが全くなくて、今まで周りはサッカーやってる奴らばっかりだったから。
じゃあ大学に入ったらそういう人とも知り合いになろうって思って、大学入学後に障がい者支援施設でのアルバイトをはじめたんです。募集要項に「WordとExcelができる人」って書いてあったから大学のコンピュータールームで、ささっと勉強して。
その施設では、例えば、視覚障がいの方がインターネットから情報を得るときに、音声読み上げブラウザを使うんですけど、ちゃんとブラウザが読み上げられるようにちゃんとした文書構造で書かれたWEBサイトを作りましょう、みたいなことをやっていてたんですよね。
そこで初めてホームページの作り方を知って、ドハマりして、穴が開くほど人のホームページを見て、そこから自分のホームページや大学のサークルのホームページを作ったりしてました。
あちゃ:わかります。
私もその頃中学生で、部活が終わったあと急いで家に帰ってパソコンに張り付いて自分のホームページを作ってました。そのあとペパボに入るきっかけって何かあったんですか。
星:今でも覚えているんですけど、当時の時給が930円でね。学生時代の友達と会ったら、サラリーマンになった仲間が立派なスーツを着て、新橋や銀座で飲むようになったんですよね。
今まで高田馬場で1,500円の飲み放題コースだったのに。しかも、お金がない僕を見て友達が僕の分まで出してくれたりして。
その時「あっ、このままじゃやばい!!」って思って、派遣会社に登録して、その後いろいろな縁があって小さいシステム会社に入ったりしてたんです。
その頃に「ロリポップ!」に Movable Type をいれて自分のブログを運営していたんですよね。ペパボの人たちもたくさんブログをやってて、パートナーのブログは全部読みましたね。
最終的にはパートナーの奥さんのブログとか、ケンタロさん(現社長)の妹さんの彼氏のブログまで見るようになっちゃって、完全にストーカーでしたね。
そんな時に、当時社長だった家入さんからブログにコメントをもらって、渋谷にいって、飲みに行って、やっぱペパボって最高だなぁて思って、入りたいですとお伝えして、ペパボに入りました。
あちゃ:急展開ですね。私も中学生の時、ホームページを作っていた楽しさやワクワクした気持ちが忘れられなくて、就職活動の時はIT業界を中心に就職活動してました。時間も忘れて没頭しちゃうんですよね。
星:そうそう。気が付いたら何時間も経ってるんですよね。
今考えると、もっとちゃんと就職活動しておけばよかったなぁって思っていて。就職活動って就職活動でしか経験できない事が結構あるんですよね。
いろんな業種で活躍している先輩や、経営陣と話せるし、様々な企業訪問もできる、社会人になると自分の仕事とかかわりがある方との接点は増えるけれど、なかなか異業種の方と出会えないから、就職活動をゲームだと思って、いろんな会社に行ってみるといいと思います。ITをやりたいけど、漁業の会社を見てみる、とか。
僕は「やりたいことがないのに就職活動するなんて、どうなんだろう」って就職活動しなかったなんて思っていたけど、それは完全に視野が狭い考えで、当時の僕に会ったら思いっきり説教してやりたいですね。
何事も「まぁやってみようかな」ってポジティブにとらえる事が成功の鍵
あちゃ:星さんはペパボに入社されて14年ですが、その中で衝撃的な出来事ってありましたか?
星:はじめてペパボで新卒採用をした時のことは印象に残ってますね。新卒で新しいパートナーが入るというのは会社ステージがまた1つ変わったような気がしましたね。
あちゃ:確かに、当時のパートナー数が150名くらいで、新卒が10人入ってくるってなかなかのインパクトですね。
星:当時の僕は社長室の室長をしていて、新卒の採用サイトを作ったり、新卒説明会の企画なんかにも関わっていました。
最初に「社長室の室長やってよ」って言われた時は“デザイナーとしてペパボでおもしろいサービスを作りたい!”と思って入社したのに、社長室だとサービスに関われないし、バックエンド側だからちょっと悩んだんですよね。
けど「まぁやってみようかな」ってポジティブにとらえてやってみたら結果的にめちゃくちゃ学びが多くて、自分の視野が広がったんですよね。
あと一番最初の新卒サイトって実は僕が作ったんですよ。
当時、新卒入社のパートナーがいなかったから「新卒っぽい2人に聞いてみました」ってインタビュー企画を公開したらそこそこバズって、それを見て今の1期生が入社してくれたのは嬉しかったですね。(当時のことを書いているブログがあります)
あちゃ:私が就職活動をしていた時、当時の新卒採用ページに加え、過去の新卒採用ページも閲覧できたので、2011年度新卒サイトの中に掲載されていた「新卒っぽい2人に聞いてみました」のインタビューも見ました!もうひとつ私が印象的なのは、やっぱり新卒説明会です。
私はペパボの大規模な新卒説明会が始まった年に就職活動をしていて説明会にも参加していました。スチームの中からケンタロさんが宇宙飛行士の出で立ちで登場する姿をみてドキドキワクワクが止まらなくて、「この会社で働きたい」って思いました。
星:あの時、本当はケンタウロスをやりたかったんだよね。
あちゃ:え・・・笑。
星:ケンタロのケンタウロスてのをやりたくてね。
上半身、古代ギリシャ人みたいな格好をして。下半身が馬で。それでケンタウロスの着ぐるみをすっごい探したんだけど、全然なくて。
やっと見つけたのに、中国に発注して1ヶ月半かかると言われて断念しました。笑
あちゃ:私すごい感動したんで、宇宙飛行士でよかったです。
星:そう言ってもらえると嬉しいけど、ケンタウロス、やりたかったなぁ・・・・・。
それから新卒説明会のクオリティが年々上がって、話題になって取材もしていただいて、本当にすごいよ。これも「もっとおもしろくできる」マインドがあってこそだよね。
ただこれだけは本当に記事に入れてほしいんだけど、僕はケンタウロスがやりたかった!!
視点を変えて「もっとおもしろくできる」
あちゃ:ペパボの企業理念「もっとおもしろくできる」、私もよく学生さんに『あちゃさんの考える「もっとおもしろくできる」って何ですか』って聞かれて、答えに悩んだりすることがあるんですけど、星さんは「もっとおもしろくできる」をどう考えていますか?
星:2つあると思っていて、1つは「もっと」という部分にかかっていて、現状に満足しないという事だと思っています。
もう1つの「おもしろく」は視点を変える、見方を変えるという意味だと僕は思っています。例えば「新卒説明会はこうあるべきだ!」っていう世の中の考えに対して、「こんな新卒説明会もありじゃん!」って提案していく。
そういう視点をみんなが持つってことだと思っています。
あちゃ:めちゃくちゃいい話ですね。
星:でしょ笑。
でも、それって実は昔からマインドとしてあって、レンタルサーバー「ロリポップ!」は、そもそもそういう視点で始まったサービスなんですよね。
サーバーには堅いイメージだったり、利用料が高いイメージがあったりしたのを、サーバーなのにサービスキャラクター『ロリポおじさん』がいて、しかも『低価格』で提供することで、柔らかく親しみやすさのあるサーバーという新しいサーバーのイメージを作ったんです。
「サーバーってこうだよね」という固定概念を超えたことによって、利用できる人の幅も広がって、ユーザーも増え、表現の可能性を広げることができたサービスなんです。
あちゃ:なるほど。
「もっとおもしろくできる」は「こういうとらえ方もあるよね」を提案する柔軟さということなのかもしれないですね。最近、私「もっとおもしろくできる」が足りてなかったなと感じています。
星:マインドとして皆「もっとおもしろくできる」を常に心にもっていたいよね。
最高だよね!と言い合えることで生まれる“最高”のサービス
あちゃ:そうですよね。話はかわりますが、私はペパボのサービスもパートナーも好きで、もっともっと会社や事業を成長させていきたい気持ちが強いので、一緒に会社を成長させてくれる人にペパボの仲間になってもらいたいって思っているのですが、星さんはどんな人と一緒に働きたいですか。
星:急だね。僕は、友達が増える感じがいいなと考えています。
仕事の同僚、ってよりも友達だったら「もっと助けたい」とか「相談に乗りたい」って気持ちになるじゃないですか。
それと同じで、自社サービスを、一緒に「これ最高だよねって」って作って「ほらやっぱりおもしろい!」って世の中に提示していきたい。
ビジネスライクな関係でサービス開発をしていると、それなりのサービスしか産まれないと思うんです。ただもう年も取ってるし、役職もついているから、友達って思ってくれる新卒は少ないかもしれないけど笑。
あちゃ:確かに。私ももう7年目ですし、採用を担当しているというのもあってなかなか友達と思ってはもらえなそうです。
そういえば、星さんは何歳の時に入社されたんですか。
星:入社したのは27歳の時だから、かれこれもう14年か・・・・。長いね~。一緒に働いているパートナーも僕自身もライフステージに変化がありましたね。
だからこそ、パートナーのライフステージの変化は意識しています。
仲間が増えるという事は、目の前にいる仲間だけでなく、仲間の家族や、お子さん、大切にしている人も守っていかなければならないんですよね。
そのためにも、会社を成長させていかくてはいけないですよね。
あちゃ:最後に、今就職活動している学生さんに伝えたいメッセージをいただけますか?
星:『なるようになるさ』これは強く言いたいですね。英語で言うなら「Let it be.」ビートルズの名曲ですね。ビートルズって本当に最高ですよね・・・・
あ、ええと、面接や企業訪問ってすっごく緊張すると思うんですよね。でも、その会社に落ちたからって一生就職ができないわけではないし、人生が終わるわけじゃないので、『まぁ、なんとかなるよね』って、リラックスして、気楽に取り組んでほしいと思っています。
今の時代、なんとかなるかなって思ってもらったほうが、面接もきっと楽しい時間になるし。自分らしくいられるのが一番なので、気軽に会いに来てください。