“怪物”井上尚弥(26)と世界5階級制覇のノニト・ドネア(36)の黄金カードのチケットは2時間で完売した。尚弥人気にドネアのカリスマ性がファンを魅了した。
そのドネアが31日の公開練習で魅了した。たった1Rのミット打ちだったが、5階級王者のオーラを感じさせるど迫力で、尚弥との10歳差を感じさせなかった。若い尚弥のスタミナを意識したのか、米国から暑いフィリピンに移動して仕上げてきたという。
尚弥は高校時代からドネアに憧れ、技術も盗んできたという。そのドネアは尚弥を「自分と同じでパワーとテクニックを備えている。ボクシング人生の全てを賭ける価値がある」と絶賛した。
尚弥は準々決勝、準決勝と刺客を序盤でKO。若さとスピードで「自分のパフォーマンスができている。この戦いがどのくらい大事か分かっている」と良い勝ち方にもこだわる。力を持つ者同士。勝った方がこれからの世界の軽中量級を引っ張るだけに力が入る。「1ラウンドからぴりぴりした気が抜けない戦いになる」と、尚弥の所属ジムの大橋秀行会長。歴史を刻む戦いに注目したい。 (格闘技評論家)