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【大リーグ】

[今中慎二WS評論]勝敗分けた継投のタイミング“長期低迷から世界一”中日もナショナルズから見習うことがある

2019年10月31日 18時24分

WS制覇を喜ぶナショナルズのナイン(AP)

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30日 MLBワールドシリーズ第7戦 アストロズ2-6ナショナルズ(ヒューストン)

 第7戦という特殊な試合とはいえ、継投の難しさを改めて思い知らされた。今季最後だからと早めに手を打って失敗したアストロズに対して、2番手以降をたった2人で乗り切ったナショナルズ。采配の差が今シリーズの勝敗を分けた。

 ア軍先発グリンキーは2―0の7回1死からレンドンにソロを被弾。続く4番ソトに四球を許した時点でベンチはハリスを投入したが「まだ早い」と。“一発直後の四球”は投手によくあることだが、その大半は動揺によるもの。だが今回は警戒し、勝負をした結果に見えた。ましてやここまで2安打。相手打線が嫌がっている中での交代はどうかと思っていたところ、続くケンドリックが逆転2ラン。さすがにこの結果は驚いたが、偶然ではなかったと思う。

 長いシーズンなら継投の形は必要だが、短期決戦では状態のいい投手をいかに効果的に起用するかが大事。一方のナ軍は2点差の6回から先発要員のコービンを投入すると、逆転し、セットアッパーがいる8回も続投させた。ナ軍はリリーフ陣の弱さが課題だったが、選手の状態と相手関係を見極めて勝ちきった。

 球団史上初のWS制覇となったナ軍は、ほんの10年前まで長期低迷。それがドラフトで今回MVPのストラスバーグやジマーマンを獲得し、一方でFA、トレードなどでバランスよく補強した。今回の4番ソトは21歳と若く球団に育成力もある。チーム内も自分たちの弱さを理解して一つになっていたそうだ。普段から中日の試合を見る機会が多い私としては、目の前で喜んでいた彼らから見習うべきことが多いように感じた。(本紙評論家)

 

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