チャリティーショーが開かれた神戸は1995年、阪神大震災に見舞われている。その街を今、目にしたとき、震災で大きな被害を受けたとは思えなかった。「自分の生まれた街が崩壊するのは悔しかったけれど、力を合わせれば復興のメドが立つんだ、と思った」と羽生は言う。
■ショーで「白鳥の湖」などを披露
ショーでは滑り慣れた「白鳥の湖」と、アンコールで「パガニーニの主題による狂詩曲」を披露した。スタンディングオベーションが起きた精いっぱいの演技に、見守った阿部コーチは「心がこもっていて、泣けてきた」と話す。
14日、羽生は仙台に戻り、東北高で始業式に出席した。18日からは再び、八戸へ行き、5月以降、横浜、八戸、横浜、金沢、東京……、ショーに呼ばれた先々で、リンクを融通してもらって練習していくつもりだ。「自分にできることはスケートだけ。スケートを通して一生懸命な姿を見せて、少しでも多くの人に勇気を与えられればいいな」と言う。
日本スケート連盟の強化選手である羽生は、ナショナルトレセン(中京大アイスアリーナ)が使え、かつて仙台にいた長久保裕コーチがいる名古屋のリンクも便宜を図ってくれる。海外からも練習に来ないかという声もかかっている。しかし、今のところ、拠点を仙台から移すつもりはない。
「今はとにかく滑りたい。この思いをスケートにぶつけたい」。たまった思いをはき出してから、先のことは考えるそうだ。
(原真子)
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