11月に開催される野球の国際大会「プレミア12」に出場する侍ジャパン・井端弘和内野守備走塁コーチ(44)が、現場からチームの近況を報告する「井端弘和 侍レポート」。侍ジャパンの今をお伝えする。
【31日】ラグビー日本代表の田村優選手が始球式を務めてくれた。「通」とまでは言わないが、吉田義人さんのころから観戦歴のあるラグビー好き。大学生のときには早明戦を生観戦していた。
今回のW杯も日本代表はもちろん全試合、他も時間の許す限りテレビで見た。ボクが面白いと思ったのはイングランドが「ハカ奇襲」からオールブラックスを破った準決勝だが、日本のベストシーンは多くの方と同じスコットランド戦での稲垣選手の代表初トライだ。あの見事なオフロードパスは、4年前のエディージャパンではやっていなかったとか。野球でいえば逆シングルキャッチを禁じ「正面で捕れ」といった感じだろうか。
それだけでなく今は戦術的な選手交代を駆使する。事前の情報戦も比較にならないほど高度になった。ラグビーは監督がベンチにはいない競技だが、戦法や戦術は日々変わる。指導者が進化を迫られるのは、われわれ野球も同じだ。自らの経験だけにあぐらをかくのではなく、今より上を目指すのが指導者の責務だと、ジェイミージャパンから学んだ気がする。さあ、今度はボクたちが野球の素晴らしさを伝えねば―。(侍ジャパン内野守備走塁コーチ)