(たぶん多くの人は全く興味がないと思いますが)おなじみラノベ天狗ことsrpglove氏と、カルト的な人気を誇るWeb小説「幻想再帰のアリュージョニスト」の作者homiya氏の世紀の一戦について、自分なりに論点を整理してみたいと思います。
経緯についてはこちら(srpgloveさん自身が書いているので細かい記述を鵜呑みにしないように)。
とりあえずの発端であるsrpgloveさんの発言について。
アリュージョニスト、気に食わない人間を無断で作中に登場させて揶揄するような作品なので、もともと「倫理」からは外れてますよ(これは擁護ではなく批判です)
「アリュージョニストは気に食わない人間を無断で作中に登場させて揶揄するような作品である」という命題を分割すると
(1) homiyaさんにとってsrpgloveさんは気に食わない人間である
(2) 作中に登場した『天狗』とはsrpgloveさんのことである
(3) homiyaさんは『天狗』を揶揄的に描いている
の三点になります。
とりあえず(2)について、
- 「天狗」といえばラノベ天狗=srpgloveさんが連想されるのは界隈では自明だった
- ただしラノベ天狗をもじって(srpgloveさん以外を)「○○天狗」と呼ぶ用法は当時から存在していた
- そのあたりの機微はhomiyaさんも把握していた
といった点はほぼ確実だと思っています。
それに対してアリュージョニスト読者が「srpgloveの自意識過剰だ」的な見当違いな批判をしてしまったことで、論点として(2)だけが先走ってしまったわけですけど、本来的には他二つの論点が重要なはずです。
(1)について、homiyaさんは最初に「srpgloveさんを中傷する意図はない」と明言しています。これはそうだろうと思います。homiyaさんはむしろsrpgloveさんに好意的な立場だろうという印象が個人的にもあります。こちらに関しては、なぜsrpgloveさんが「自分は気に食わない人間だと思われている」と思っているのかを聞いてみたいところであります。
(3)についても、
- srpgloveさんに限定した記述ではない
- 「○○天狗」的な行為そのもののパロディにすぎない
といったhomiyaさんの抗弁に嘘はないと思いますが、ただその箇所を書いているときにsrpgloveさんのことを意識はしていたでしょうし、「パロディ」という行為自体に揶揄や風刺のニュアンスが混じるものではあるので、「○○天狗のパロディ」に「○○天狗の代表格たるラノベ天狗」が不快感を抱くことは決して不当ではないと思います(この「不当ではない」は「まあ不快に思うこともあるだろう」「不快だという主張も理解はできる」というニュアンスです)。
以上からして、srpgloveさんが提起した(1)(2)(3)の論点については、イチャモンくさいけど一理はある、といったくらいのものであると思います。
あとはhomiyaさんの落ち度がどの程度のものかを見定めて、問題の解決を「要求」するというのが筋でしょう。
ところでsrpgloveさんは何の「要求」もしていません。
天狗さん、単に怒りを表明して、それに反論してくるアのファンを殴り返してるだけであって、別に和解だとか修正だとかを望んでないキリングマシーンなので、和解だとか修正だとかの話に持っていくほうが話が拗れると思うんですよ。だから単純に引き下がったほうが良い。
その凶暴性のわりに、srpgloveさんの殴り方はアウトボクシング的というか、レトリックを駆使して自身の正当性をアピールしつつ、ネチネチと迂遠な皮肉を連ねていくというものとなっています。
(1)(3)をあまり論点にせずにひたすら(2)の真偽に問題を絞っているのもそうですし、homiyaさんが「srpgloveさんに限定した記述ではない」と言ったのを「srpgloveさんをまったく意識していない」にすりかえているあたりも厄介ですね。
ともあれ、落としどころが用意されていないのですから、問答を重ねてもいたずらに問題が大きくなっていくだけです(というか大きくなってしまいました)。問題が大きくなってから、homiyaさんは落としどころを探っていたようですが、落としどころなんて無いので、単純に引き下がったほうが良かったと思います。とりあえずついさっき問題となった記述が修正されたようなのでなんとなく解決したように見えますが、srpgloveさんは納得していないようなので折に触れて蒸し返されていくのでしょう。
というわけで今回の件でいちばん悪かったのは「ラノベ天狗なんて知らねえよ!」という程度の認識しかないくせに迂闊に突っ込んでいって天狗の怒りに火をつけたアリュージョニスト読者だと思います。