私は2016年以前からの仮想通貨クラスタを古参コイナーと呼んでいるのですが、久々に彼らの熱い議論が交わされていたため、この内容を埋もれさせては勿体ない思い記事にまとめました。
バトルを繰り広げたのは 以下2名の古参コイナーです。
Crypto Chick(通称:ひよこ)氏@CCassets ETH推し&TenXコミュニティ日本代表
当初 ひよこさんが、こんなツイートをしておりました。
「ブロックチェーン」が革新的技術だとされた要因は「中央管理者を不在にできる」ことだったのではないの? それが、経済のあり方に大きな変革をもたらすと。
コンソーシアムの"共有管理データベース"はコンセンサス形成を分散させないのに、ブロックチェーンという仕組みを使う必要がないよね?
例えば、 中国国内のすべての経済が、中国の中央管理による"ブロックチェーン"で動いたとして、で? それが何なん?ww
で、世界中の国の多くが、 "自国管理のブロックチェーン"で国内経済を管理?して、で? それが何なん? インターオペラビリティを、その後に追究するの?w おかしよね? 国交樹立や断絶を、インターオペラビリティの成否設定で行うの? へー。
仮想通貨は投機目的で胡散臭いイメージが付いてしまった現在、そんなことで良いのか?いまこそ仮想通貨クラスタは、ビットコインがどのような思想で生まれたのかを思い出すべきだという思いでこんなツイートをしてしまいました。
皆さん、初心に帰ろうw
すると こんなコメントが蘇るタヌさんからありました。
そもそも違うよ
え?違うの?
第三者の仲介無しに送金できる仕組みは暗号通貨の特徴で、ブロックチェーンの技術とごちゃ混ぜに考えて非中央集権厨二病拗らせてる間違いマキシマリストは多い
「ブロックチェーン技術」って、不特定多数(≒分散した)のクライアント間で、一つのコンセンサスを得る技術ではないのですか?
ここから、ひよこさんと蘇るタヌさんとの 「ブロックチェーン技術とは果たして革新的技術なのか?etc」の熱い論議バトルが始まるのでありました。 面倒くさいので解説なしで 原文のまま お読みください。
その話と中央集権管理者不在の話は関係ありません 単一障害点不在というだけです
なるほど。なぜ"それ"が「関係ない」と言えるのか私は理解できませんが、仰っしゃりたいことは汲みとれました。 ありがとうございます
食わず嫌いにならずに非中央以外の他の部分の旨味ももう少し噛み砕いて頂きたい所存
そのあたりはコンソーシアムなりパーミッションノード型のブロックチェーンネットワークが有意義であるとされる多数の方がいろいろ論じておられるのでは? 私はそれらの"ブロックチェーン"はブロックチェーンである必要がない、と言っているのです。 食わず嫌いの前に食い物ですらありません。
ブロックチェーンである必要がないわけではなく、ブロックチェーンが便利だから使うわけです バズに乗っかるなら幻滅期なので意味は無く、便利で適しているから採用するフェーズですよ
ぅーん、ブロックチェーンが便利?というのが全く理解できません。 不便なれど一種の構造変革のために生み出された技術であると思っています。 だからこれほど一般浸透に時間を要していると。 UX的にも存在意義的にも。 と思っています。
基本に立ち戻ってビットコイン見てみてください ノードがいくら増えても性能は劣化する事はなく10年以上ゼロダウンタイムの実績があり、セキュリティはノードが増えれば増えるほど良くてサバ維持費も割安、しかも最初から数字を間違えない勘定機能がある。数字だけを扱うなら圧倒的に優れています。
そのためにUXやスケールを"犠牲"にしていますがそこは? ブロックチェーンのトリレンマの解決を拗らせて、本末転倒になっているのが今のコンソーシアムやパーミッションノードブロックチェーンなのではないでしょうか?
そもそもがトリレンマのバランスをチューニングしてステ強弱振り分けて旨味を活用していくコンセプトなのでは? 全て満たす必要があるのはパブリックチェーンだけで、解決方法はL2やらクロスチェーンやらシャーディングやら今実験の真最中じゃないですか。その話は論点からズレます
そこを正しく解決せずにブロックチェーンの未来はありません。 パーミッションノードではブロックチェーンである必要性すらありません。(ブロックチェーンのスケール解決手法ではない。) トリレンマはどれかを犠牲にするのではなく、ブレイクスルー(←これがシャーディング&ビーコンチェーン)か
トリレンマ自体を回避(←レイヤー分け)です。 ですので、L1をハブにしたレイヤー拡張(パブリックでもプライベートでも。)とL1シャーディングというのが、 ブロックチェーン生態系の発展的な解だと考えています。
これが正にEthereumが進もうとしている形です。 前途多難ですが。ト
話が飛躍しています。それはイーサリアムがやれば良い話です。ソフトなのでマッチする仕組みさえ現れたら今後も解決方法は無限にあります。 現時点でのブロックチェーンでも活用できるケースはあります。枯れた技術とは言えませんがそれを否定し続けてもプロダクトまで行かずに一生実証実験になります
自家発電の自動運転電気自動車ではなくてもガソリンハイブリッド車があっても良いと思いますし、それで間に合う人もいます。ブロックチェーン技術の成熟とプロダクトは切り離して考える方がいいです。一生成熟します。プライベートコンソーシアムはプロダクトレベルです。旨味は現時点でもあります。
「旨味」とは例えばどういったことでしょうか?
ここ読みましたか?
マジでもう少し柔軟に考えましょう。ただの『先端技術追っかけ何も出来ないマン』になりますよ?今あるものを工夫する事を否定してはあきまへん
これはパブリックであるが故の旨味でしょう? "ノード(≒ブロック提案ノード)がいくら増えても云々"は、コンソーシアム及びパーミッションノードブロックチェーンには関係ないです。 「今あるものを工夫する」って、使えるものにするために基礎的な技術向上を図っている段階なのではないですか?
コンソーシアムやプライベートにとって、 「集中サーバー&複数バックアップ」とweb2.0セキュリティでは、不十分なのでしょうか? ブロックチェーンを使う意味はどこにあるのでしょうか。 本当に意味がわかりません。すいません。。
これは提案ですが採用した側に聞いてみては? 採用しない理由もする理由もそれぞれ言い分があります。軽自動車を買う人もフェラーリを買う人もいます。自分たちにマッチしたら買うし使うし優れていても維持が大変とか高ければ買いません。車検に100万かかるとか運転性とか色々理由がありますよね?
私はそのあたりは、ただの”ブロックチェーン勘違い”だと思っています。 何年も前からそういう人たちがずーっと居て、ずーっとズレっ放しだと思います。 勘違いしたまま好きにすればいいのだと思います。三周回ってパブリックブロックチェーンに帰ってくるというのはそういう意味です。
話を戻しますよ?w 「ブロックチェーン」が革新的技術だとされた要因は、「中央管理者を不在にできる」ことではなく、枯れた技術の組み合わせでうまく動いて安くて便利で死なないからです。そこだけ切り取るのも自由だしパブリックにアンカリングやらスワップしても良いですがそれは論点ではない、と
要は主語がデカイんすよ。技術と暗号通貨のポリシーとは別で考えなければならないんです。後からパブリックスゲーでも良いし別に秘匿データをローカルでセキュアに運用してもいいし、ナイフ持ってたら人を毎回刺さなくても良いんです。チャイナがやりたきゃうまく管理できてチャイナには利点があります
主語がデカいわけじゃないよ。 ブロックチェーンに対して 厳しく辛い現状を目をそらさず向き合って、本質をブレさせないでいるだけです。 ブロックチェーンはフィンテックではありません。 フィンテックにブロックチェーンは不要です。
ぅーん。やはり相容れません。 「安くて便利で死なない」技術がブロックチェーンではありません。 それは"パブリック"ブロックチェーンが目指していることです。 非分散ブロックチェーンは、安くて便利かもしれませんが殺すことができます。 殺すことができるから、殺されないために「中央管理」が必要なのです。 そうなると既存のweb2.0システムと同じです。
まぁあれです、 ブロックチェーンでやってみたいだけw べつにブロックチェーンでなくても同じことができます。 コンソーシアムやパーミッションノードブロックチェーンのものは。
web2.0だって暗号は使えるし、公開鍵暗号だっていろんなところで既に使われてる。 ブロックチェーンの用途って何?ってところが勘違いばかりなんだよね。 滑稽。
技術単体で見た場合パブリックもコンソーシアムもなく、ブロックチェーンはブロックチェーンです。(広義のブロックチェーンですが)P2Pで複数ノードがデータを承認していく仕組みです あなたの話はパブリックのポリシーや定義をごちゃ混ぜにするから噛み合わないだけで言いたい事はわかります
そうですね。 パーミッションであるならブロックチェーンを使う意味ないでしょ?というのが私の言いたいことです。 意味がない且つブロックチェーンのメリットを殺しています。つまり本末転倒です。
パーミッションでブロックチェーンを使うならそれなりの都合や事情があるんでしょ?どっちでもいいけど便利なサービスなら使うし関係無いなら使わないよ、というのが私の言いたいことです。他意はありません。
なぜブロックチェーンを使う必要があるのかがまったくわからないですが、 世界的にワッショイなので乗っかってるのだと思っています。 世界規模で勘違いさんばかりです。 実際にやってみれば(動き出せば)、その勘違いに気が付けるはずです。
これも一つの例だと思う。
今話しているのはデジタル通貨の話ですか? 完全マネーに特化した技術は別に分散台帳使っても使わなくても良いと思いますし、ブロックチェーン自体は『汎用プラットフォーム』になり得ますので、もちろんマネー用途でも良いし、使わなくても良いと思います。使う側次第です。
「ブロックチェーンは何で、どういった仕組みに使われるものか?」 をずっと会話しています。 このデジタルマネーの話は端的な例です。(必ずしもブロックチェーンを使う必要がないという。)
私はこのように考えています。
違います。単なるデータ運用方法です。トレードオフがあるのでメリットデメリットがあります。その崇高なる意識を一度床に置いて考えてみてください。 貴方の仰る内容はパブリックチェーンの理想系です。ちなみに貴方が理想とするのはモネロだけです。
そうです、私が言っているのは"パブリックブロックチェーンの理想です"。 それが唯一、ブロックチェーンのあるべき姿であり、使用用途です。 それ以外は必ずしもブロックチェーンである必要はありません。 「ブロックチェーンだけが成し得ること」に興味があるのです。
それは完全に原理主義者と同じ発想なので、結局は好き嫌いの話に行き着きます。別に多様性を認めろと言うつもりも有りませんがお手柔らかに。 パブリック側にフィードバックできる技術がコンソーシアム側から生まれるケースも出てくるでしょうし。
確かに私は偏っています。 とにかくパブリックブロックチェーンが世界を一つにして平和になることを追求したいです。 最後はポエムですが、きっとこれからもポエミーです。 ただの便利やコスト削減とかではないから、パブリックブロックチェーンが面白く、人が夢中になっているのだと思います。
ワシも圧倒的にパブリック好きなので同じですよ。ただ、近い将来プライベートでもコンソーシアムでもどのチェーンも何かとパブリックに出口を求めて相互に連結していく形に進化すると思っていますし、パブリック同士も繋がるだろうし、チェーン1本ならそれこそそのチェーンが単一障害点になりますので
地理的(物理的)国家のフィールドが、インターネットに土俵を変えただけの話になるのかもしれませんね。 それでも面白い時代だと感じます。 興味深い意見交換を本当にありがとうございました 🤗
如何でしたでしょうか?
初心に戻って仮想通貨とは何か?ブロックチェーン技術で何が出来るのか?を改めて考えてみるのも面白いのではないでしょうか?
おまけで 二人のやりとりが開始される合間に1つだけ私から質問に対する回答も貰っていたので追記しておきます
1点だけ質問。 ブロックチェーン技術は、暗号通貨だけではなくデータの非中央集権、分散化や音楽など作品の著作物非中央集権販売プラットフォームへの活用にも有効な革新的な技術だというイメージありましたが・・・?
そもそも管理レイヤーが違うだけで中央集権からは逃れられません 雑魚だったから目溢しされていただけで上位レイヤーが潰されたら死ぬのはMXやWinnyやってた人は分かっています ガチリバタリアンや無敵の人らが市民的不服従するだけで一般には無理です
ありがたく回答を貰ったのですが、わかったようなわからないような・・・・ と思っていたところでひよこさんがひっそりとコメントしておりました。
(パブリックブロックチェーンは"公共"だって言ってるのに。。そこを勘違いしてるんだよね。 まぁ確かに一部のリバタリアンは極端な存在としてはある。)
ブロックチェーンの意義を巡る談義は終わらない・(w)
そしてまだ余波が続きます・・・
星 暁雄 さん(@AkioHoshi) がこの対話まとめに反応ツイートをしてくれてました。
ブロックチェーンの意義をめぐる対話。 いわゆる原理主義と現実主義がそれぞれ言語化されていて、考える材料としていいなと思った。それと、議論がフェアプレイですばらしい。
私の見方。 技術は価値中立の世界。意義や正しい用法は人の言説。言説にとらわれず試して調べるのが科学的な態度。 大昔には「UNIXはソフト開発者向け。メインフレームを代替するのは無理」とか「RDBは情報分析向け。業務系には向かない」といった言説もあった。何がどうブレイクするかは分からない。
私の見方(その2) 一方、原理主義的な主義主張が世界を変える前例がある。 大昔、FSFのリチャード・ストールマンは単なる変人扱いだった。 その後、フリー・ソフトウェアの思想は定着。今やソフトウェアはフリー/オープンソースソフトウェア抜きには成り立たない。
私の見方(その3) 今はメインストリームから相手にされないブロックチェーン界隈の概念(decentralizedとかtrustlessとかcensorship resistanceとか)が、今後どんな影響力を持つか、それはまだ分からない。 技術も概念も、先入観抜きに科学的に調べていかないと間違えると考えている。
補足です。 エンジニアの方々が「俺が世界を変えてやるぜ」という意気込みでやっていることは、よく承知しております。 技術は使われてナンボです。概念や技術を道具としてぶん回して世界を変えていく人々の活動に、自分としてはとても関心があります。
ブロックチェーンの意義を巡る談義はまだまだ終わらない・(w)