【10月31日 東方新報】英国の科学ジャーナル誌のネイチャー(Nature)に14日、米国ハーバード大学(Harvard University)と南京信息工程大学(Nanjing University of Information Science and Technology)の研究者らによる中国の大気汚染に関する共同研究の成果が掲載された。

 論文は中国北部の106か所で計測したデータをもとに「2013年から2017年にかけて、中国のPM2.5が30%~40%減少した。しかし、その一方で同じ期間のオゾン汚染が悪化した」というもので、研究者のシミュレーションによれば、PM2.5の減少によってオゾン汚染が促進されるという。換言すれば、PM2.5が増加すれば窒素酸化物排出が抑制され、オゾン汚染が起こりにくくなるということだ。

 研究者らはオゾン汚染への対応として、揮発性有機化合物(VOC)の排出を抑制する必要性を強調している。PM2.5の継続的な減少で、長期的なオゾン汚染が深刻になる可能性がある。窒素酸化物と揮発性有機化合物の双方に対する積極的な削減をする大気浄化の行動計画を、早期実施することが必要だと述べている。(c)東方新報/AFPBB News