人工知能(AI)を用いたデータ分析を手がける米ドットデータは31日、2300万ドル(約25億円)を調達したと発表した。累計の調達額は4300万ドル。出資比率は非公表だが、ドットデータはNECの子会社から外れ、持ち分法適用会社になる。調達した資金を製品開発や販売促進にあてて、さらなる成長をめざす。
事業開発段階の「シリーズA」で、ベンチャーキャピタル大手のジャフコと米ゴールドマン・サックスが出資した。ドットデータは2019年1月から9月までに売上高が4倍以上に伸びた。顧客は銀行と保険だけだったが、小売りや航空を含めた9業界に広がったという。
ドットデータは藤巻遼平最高経営責任者(CEO)がNECから独立し、カーブアウトという形で創業した。機械学習の特徴量を設計する作業を自動化する製品を手がける。専門的なデータサイエンティストがいなくてもAIを使った分析ができるとして注目が高まり、米調査会社のリポートなどでも高い評価を得ている。
ドットデータの藤巻CEOは31日に都内で開いた記者会見で「想定よりも早く調達できた。日本ではNECと連携し、米国でも事業拡大にアクセルを踏む」と述べた。
(清水孝輔)