来年のiPhoneは最新鋭5Gチップ「X55」搭載、A14(仮)は5nmプロセス製造か(日経報道)

さっそくクアルコムとの和解が活かされているようです

Kiyoshi Tane
4 時間前 in iphone
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5G対応が見送られた形となったiPhone 11シリーズ。ですがその判断は、5Gインフラの整備状況やモデム技術がまだ未成熟という事情を踏まえると、むしろ正解との分析も出ています。

そんななか、2020年の5G対応版iPhoneにはクアルコム製の最新5Gモデムチップ「Snapdragon X55」が搭載されるとの噂が報じられています。

Nikkei Asian Review(以下NAR)は匿名情報筋の話として、「新しいiPhoneの3モデルはすべて、米国のモバイルチップメーカーであるクアルコムが設計したX55と呼ばれる最先端のモデムチップを搭載する予定」と伝えています。

しかし一方で、現行製品よりはるかに高速なダウンロードを可能にする本チップは、需要の増大に直面しているため、供給不足が生じる可能性もあるとのことです。

Snapdragon X55は、今年2月にクアルコムが発表した第2世代5Gモデムであり、2016年に発表されたSnapdragon X50の後継製品です。世界中のあらゆる周波数帯に対応すべく2Gから5Gまでを1チップでサポートし、そのスピードは下りで最大7Gbpsにも達するとのこと。クアルコムは製品出荷を2020年と予告しており、まさに最新のチップが投入されることになります。

アップルは社内で独自の5Gモデムを開発していると噂されており、つい最近も「厳しい期限を設定して」急ピッチで進めているとも報じられていました。しかし、それでも目標は「2022年のiPhoneへの投入」と伝えられており、数年も先のことです。その空白期間を凌ぐためにも、多額の支払いを伴ったクアルコムとの和解に踏み切ったのかもしれません。

そしてアップルは来年、8000万台の5G対応iPhone出荷を目指しているとのこと。これは例年の新型iPhone出荷が7500〜8000万台であることを考えれば少し強気ですが、同社の考えに詳しい匿名の人物は「アップルが5G対応iPhoneを発売するのはこれが初めてです。3モデルを用意し、同社は積極的な販売目標を設定しました」と語っています。アップルは5Gを主要なセールスポイントとして活用する予定と思われます。

さらに、こうしてアップルが5Gを採用することが、米国のAT&TやVerizonなど主要キャリアの5Gインフラへの投資を加速する可能性があるとも指摘されています。5G用の通信施設には巨額の費用がかかるが、新型iPhone全てを5G対応させるアップルの動きは、通信事業者の投資に対する自信を高める見込みがある、というわけです。

ほかiPhone2020年モデル関連として、NARは「アップルの最新世代プロセッサA14(仮)が搭載され、TSMC(iPhoneのAシリーズチップ生産を担当してきた半導体メーカー)が世界最先端の5nmプロセス技術で製造する。来年、5nmプロセス技術を採用するのはアップルとファーウェイだけ」とも伝えています。
こうした見通しは、TSMCのCEOが「5nmプロセスの生産能力を増強するため、さらに投資する予定」と発言したことからも推測されていました。

さて、アップルが新世代の通信規格への対応を一歩遅らせるのは「いつものこと」です。たとえば米国でLTEがサービス開始されたのは2010年後半でしたが、LTEに対応したiPhone 5が投入されたのは2012年9月のことでした。

そうした前例を考えると、2020年に5G対応モデルという予測は、むしろiPhoneとしては早めとも言えます。水面下ではアップルと米国の大手通信キャリアの間で、iPhone2020年モデルの5G対応を前提とした交渉を進めている可能性もありそうです。




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