僕は音楽が大好きです。でも時折、自分はなんで音楽をやっているんだろうという気持ちになってしまうんですよね。そういう気持ちになったんでこれを書いていきます。
当方スペック 都内出身の大2 学部は伏せますが理系 ADHD Xジェンダー 成績不良
当団スペック 都内 同声メイン(男女いるが最近演奏会では混声をやっていない) 都合唱連盟非加盟
0. まえがき
2. 音楽性の無さ
3. 意識の低さ
4. あとがき 「初心者なりに楽しくやろう!」はどこまで許されるのか
うちの大学の合唱団に入団してだいたい1年半が経過しました。本当はレベルの高い社会人合唱団に行っても良いのですが、僕のライフワークが現在のところ「音楽をつくる」なので、指揮指導に関することがやりたくてわざわざ学生組織にいる感じです。
ただこの団が本当にしんどい団で、まあ退団をうすうす考える運びになっています。次期学指揮やけど。
僕は身体的にナオンなので女声のことしか書けないんですけど、惨状を書いていきますね。
「初心者歓迎!」の御旗を見て、一応経験者の僕はああなんだか嫌な予感がするなあと思ってたんですけど、入ったらまあ予想通り。2女より1女の方が音取り(旋律を覚えること)のスピードが速いんですよ。速度的には3倍。2女はストレスで疲弊するし、僕らは困惑する。そんな新歓期でした。
まず女声は音取りのしかたが独特なんです。でかい部屋の真ん中で学生指揮者(以下学指揮)がひたすらピアノを弾いているので、1パートずつ取っていきます。
女声合唱は基本3~4パート(ソプラノ・メゾソプラノ×1~2・アルト)なので、自分が取るパートではない2パート分は聴きに回るわけです。この時間がまあ長いんですわ!まあ他パートがどう歌っているかを聴けるので完全に無駄というわけではないんですけども、でも半分無駄ですよね?そんなに他パートが聴きたかったらあらかじめ各パートで音取ってから完成形を聴いたらいいじゃないですか。
「なんでこんなことするの?」と聴いたら、学指揮は「いや前の学指揮もこうしてたから…」と。前の学指揮がやってたから自分たちもそうするんですか?本来学指揮は3女がやるもんなんですが、当時は3女が0人だったので2女がやっていました。当時の学指揮は技術的にも完成されていない状態で指導をしていたので情状酌量の余地はものすごくあったんですけど、にしても伝統的に遠回りが多すぎやしないか?と思うのでした。
それでね、よくよく他パートを聴けているから、合わせるとうまく響くのかというと、全く響かないんですよ。
どっから声出しとんねんって感じのカスカスな響き、上級生の堂々たる息漏れ、それでいてでかい声を出す人は響きがなんか低い。うちの女声は人数が少ないので、フルメンバーでも12人とかなんです。それでこれをやられると、もうアレでした。
ピッチもガタガタでした。僕は音がズレたとき「ズレた!」ってわかるんですけど、みんなわからないで歌ってるのか練習中それを申告しないんです。相対音感が無いんすかね?それとも自分の声の高さを把握できてないんですか?教えて有識者
少人数でやる合唱はアンサンブルと呼ばれるんですが、アンサンブルは1人1人の正確な音程と声量・そして音色の一致を求められるんです。ここまで読んでくれた方なら分かると思うのですが、うちの女声はこの3点全てにおいて終わっていました。
ちなみに男声はもっとひどいらしいです。
女声って、まあ合唱経験が無いにしても音楽的素養がある人が多いはずじゃないですか。なのにどうしてここまでひどい音楽ができるんだろうと、僕は頭を抱えました。
こんなことがあったんで、去年の夏の演奏会の時点で僕はもう辞めようかなと思ってたんですが、男声に美しい顔の先輩がいたのでモチベーションが保たれました。
地獄の演奏会が過ぎ、音楽性が合わなくて微妙な顔をしながらアンコールを歌った学祭が過ぎ、4年生を追い出し、そうして新歓期がやってきました。1女は2女に、2女は3女になりました。
新歓といえば、BBQをするんですよね。新入生を囲んで。僕、新入生にいっぱい合唱曲を聴かせたいという強い信念があって、その話の導入でもしようと、同期の女に「好きな作曲家は?」と聴きました。
この同期の女は、高校のころそれなりにでかい合唱団にいて、都の合唱祭やコンクールにも精力的に出ていました。きっと好きな作曲家の1人や2人ぐらいいるはずなんです!
返答は「ごめ~ん、うちそういうのいないんだよね」でした。
うせやん!ひょっとしてこの子は作曲家で曲聴かないタイプ?じゃあ推し組曲は?と聞くと「無い」と。じゃあ好きな合唱団は!?と聞くと、これも「え~!?知らない笑」でした。いや知らないじゃないがお前どうやって今まで合唱してきた?という気持ちになりました。大規模な合唱団では、自分が歌う曲を自分で選ぶ機会がそこまで無いため、どうしても聴き方が受け身になるんでしょうね。
他の同期や先輩も「そこまで考えたことないや」と同じような返答を繰り返すので、さすがに辟易してしまいました。
たぶん、こういうジャンルの音楽が好き!とかはあるんでしょうね。00年代のJ-POPが好きとか、昭和末期の日本のプログレが好きとか、最近のイスラエルジャズが好きだとか。でもそれだけしか無い。合唱曲を探す時、これだけだとものすごく苦労するんですよ。楽譜検索サイトで「ポップス」って打ったってポップスっぽい合唱曲一覧出てきませんから。だから作曲家一人ひとりの作風を把握して、新譜が出たらそれを把握して、ってやっていくべきなんです。
こういう連中は、自分たちが主体になった時、どういうふうに曲を探すのか楽しみですね。(さっきの同期は副部長みたいな役職に就いていて、そのように事務職になることでこの作業を回避するという手もあります。)
新歓期も団辞めたいなーとは思っていたんですけど、新入生に木下牧子だいすきな子と民謡だいすきな子(両方男の子)が来たのでモチベーションが保たれました。
補記:僕がこの団を辞めたい背景には、音楽性が「無い」ことだけではなく、「合わない」というのもあります。弊団の団員がたくさん在籍している姉妹団(混声)があって、最近そっちの音楽性が00年代JPOPみたいな分かりやすさ明るさ全振りの音楽なんですよね。そして僕はそういう音楽が大嫌いです。ジャズの人間だったからドミナントモーションが無い音楽聴くだけでも顎がかゆくなるの!わかる?!そして、団員が姉妹団の音楽性を引きずってきやがるので、眉間に皺が寄ったまま歌わざるを得ないわけです。幸い次期の姉妹団の学指揮が千原英喜沼の人間なので、来年の双団の風潮変化に期待しています。武満徹最高!(厄落とし)
今年も夏の演奏会があり(僕はあるステージで過集中を起こしてリズムがわからなくなり、1小節ずれて大コケしました)、今は学祭に向けての練習に励んでいます。演奏会が終わると3年から2年に学生指揮が引き継がれます。僕は準指揮者になり、死ぬか失踪する以外の手法では団を辞められなくなりました。
まあ団員は練習する際に人の話を聞かなさすぎますね!まともに体操をしないからそんな猫背で歌うことになるんだよ、わかるか?
学祭では混声合唱も結構やるのでそっちでも指揮をしているんですけど、スマホの録音ボタンを押してからも喋ってる男の連中は何?という気持ちになります。女声はえらいですね、全員おとなしいです。
たいして団の人数も多くないのに、自分が音楽を作っているという自覚が芽生えないのでしょうか。おめでたいですね。
もちろん今も辞めたいですけど、今振っている曲が自分で選んだ最高の曲だったのでモチベーションを保っています。
以上、うちの団の紹介でした。
この前の9月、夏休み中に夏の演奏会の反省会がありました。そこで1男から「せっかく良い演奏だったんだから、これからは寄付金を募って演奏会の1人あたり参加費を減らしたい」という意見が出ました。皆も賛成の声をあげていました。
良い演奏?
確かにミスの無い演奏だったでしょうよ。でも東京都の大学合唱団でうちより上手い団は山ほどあります。なんなら弊大学の東西南北見回して一番近い4つの大学の合唱団は全部うちよりレベル高いです。相対的に見て下手なんですよ。芸術は絶対評価じゃあないんです。
それにね、今のうちの団のポリシーは「初心者歓迎」です。演奏のレベルを上げたければ、初心者を追っ払って、高い金払って月1でコーチでも呼べば良いわけでしょ。でもそれをやらないってことはさ、初心者なりにがんばってる様子を演奏会で晒すのが団のスタイルなわけですよね。それで金取ろうなんて傲慢にも程があるんじゃあないですか?OB会が反対してるってそりゃあああああああああああ反対するでしょうよ昔からうちの団はこうなんだから。
でも最近演奏レベルが向上してるらしいですね。この調子で僕が女声を牽引し、男声学指揮が男声を牽引していけば、再来年、後輩学指揮が振る頃には賽銭箱に金が集まるようになるのではないでしょうか。
楽しく音楽やることと演奏技術の確立とにはもう数年かかると思うので、それを覚悟の上で賽銭箱勝手に出してくれれば良いんじゃないでしょうか。しらんけど。
僕は辞めたいと思いながらもなんとかこの団にいます。それはバチクソ美青年の先輩やイケボの後輩がいるからってだけじゃなくて、普通に他大に行くのが面倒だからです。前他大のジャズ研にいたんですけど、足を運ぶのが面倒だったので行かなくなっちゃいました。そんな風に。
ただ、練習のしかたを変えていくのは楽しいなあと思います。音取りをパートごとにやってもらう方式にして、音取りのスピードを3倍にしました。僕は合わせを聴いて取りまちがいを修正するだけでいいので、楽です。表現のほうに力を注げるようになり、非常に充実した音楽が作れるようになってきました。相変わらず女声は声が小さいですが、どうにかします。
明日(日付かわっちゃた、今日かあ)も練習があります。しかもハロウィンにつき団員たちが仮装してきます。とりあえず楽しんでいるフリをして行こうと思います。
あ~ 男に転生してワセグリに移籍した~い