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【大リーグ】

[今中慎二WS評論]残念な交代に余裕のない心 “WS通算0勝6敗”バーランダーがまた勝てなかった理由

2019年10月30日 18時3分

WS通算6敗目を喫したアストロズのバーランダー(AP)

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◇29日 MLBワールドシリーズ第6戦 アストロズ2-7ナショナルズ(ヒューストン)

 初めてワールドシリーズ(WS)を現地で見届けているが、ビジターチームの6勝はWS史上初の珍事だそうだ。静まり返る試合後は、もう見慣れた光景。この日はナショナルズが逆王手をかけたが、殊勲は先発ストラスバーグ。1回に逆転された以降は、ボールが先行してでも粘り抜き、味方が逆転すると大胆に攻めた。強い精神力が成せるお手本のような投球だったが、一方で気になったのはアストロズの継投。6回は先発バーランダーでいってほしかった。

 今季21勝のバーランダーは5回に2本のソロを浴びて逆転されたが、まだ93球。それに第7戦の登板は考えづらく、すべてを出し切っていい日だった。ましてや6回は6番からの下位。今季を嫌な形で終えるのと、意地を見せて終わるのとでは来季の影響も違う。もちろん、続投して抑えたかは分からないが、結果として2番手ピーコックが2イニング目に失点のキッカケとなる安打を許したのは偶然ではないと思う。

 WS通算7戦6敗となった2011年サイ・ヤング投手のバーランダーにも勝てない理由があった。5回1死から2番イートンの同点ソロは“事故”のようなものだったが、2死走者なしから4番ソトの勝ち越しソロは絶対に避けたい場面。3ボール1ストライクから痛打されたが、四球という選択肢もあったはず。前日会見で自ら「WSで勝てない」と意識過剰になっていたように、冷静に考える余裕がないのだろう。

 正直、第7戦の予想はつかない。病み上がりのナ軍シャーザー、ア軍グリンキーともに、先発は長い回はもたないか。中2日となるア軍コールの投入のしどころなど、見ている方にとってはおもしろい試合になるだろう。(本紙評論家)

 

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