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【号外】焼け落ちる「沖縄のシンボル」 首里城延焼、民家に火の粉

2019年10月31日 07:50

 31日午前2時40分ごろ、那覇市首里の首里城公園で、「煙が見える」と警備員から119番通報があった。那覇署によると、首里城正殿から火が上がり、正殿と北殿が全焼した。隣接する南殿も燃えているという。消防車両約20台、消防隊員50人以上が出動。午前5時半現在も消火活動が続いている。けが人はいない。警察が周辺住民に避難を呼び掛けている。

 午前4時半ごろには正殿の骨組みなどが焼け落ちたのが確認された。

激しく炎を上げる首里城

 現場付近では周辺住民に警察が避難を呼び掛けた。ぼうぜんとして首里城を見つめる住民らの姿も。近くに住む18歳の女性は「家のベランダまで火の粉が飛んできて降りかかってこないか怖かった」と話した。

 50歳女性は「サイレン音で起こされて、見ると首里城が燃えていた。沖縄のシンボルが失われるのが悲しい」と心配そうに見つめた。

 

 午前6時20分には那覇市の首里公民館に避難所が開設された。午前7時半現在、避難者はいない。 公民館周辺では、カメラやスマートフォンを手にした住民や通学途中の学生などが不安そうに首里城を見つめていた。

 首里城公園では27日から琉球王国時代の儀式を再現する首里城祭のイベントが開催されており、同署によると、31日未明まで催しの準備が行われていたという。

燃え上がる首里城。モノレール駅から

 首里城は1429年に成立した琉球王国の政治、外交、文化の中心で、1879年に最後の国王尚泰が明治政府に明け渡すまで栄えた。築城は14世紀半ばから後半とみられ、丘陵の地形を巧みに利用して造られている。

 戦前は国宝に指定。沖縄戦で焼失した。戦後、県が「守礼門」や「歓会門」を再建。正殿は琉球独特の宮殿建築で1992年、沖縄の日本復帰20周年を記念して国営公園として復元された。

 正殿前の広場は王国の重要な儀式が行われた場所。2000年、首里城跡が世界遺産に登録された。

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