2019年4月から6月末までの3ヶ月間、僕はカックさん(@kakakakakku)という方に技術ブログのメンターになっていただき、週に2記事のペースで技術ブログを書いていました。
ブログメンタリングを通じて、ブログを書く技術だけでなく理想のメンター像までカックさんから学ぶことができました。今回はそのブログメンタリングに応募した動機・学んだこと・成果・今後についてまとめたいと思います。記事にするのが恥ずかしい部分もあるのですが、これが僕のブログスタイルなのではないかと最近思うようになりました。
- カックさん(@kakakakakku)とは
- ブログメンタリングとは
- 応募の動機について
- ブログメンタリングで学んだことと取り組み
- カックさんのブログデザインパターン
- ブログメンタリング期間中の成果
- ブログメンタリング後の成果
- 今後について
- まとめ
- さいごに
カックさん(@kakakakakku)とは
2008年から12年間、毎週技術ブログを更新されているアウトプット芸人です。ご自身のブログの執筆だけでなく、他の技術ブロガーさんのメンタリングを毎週行なっていて、いつ寝てるんだ?で有名です。
カックさんの人となりをよく知ることができると有名なのが、Podcastで配信されている「Trello があるので眠れない」と「仕事よりブログが大事、ブログは自分の子供」です。聞いたことない方はぜひ一度チェックしてみてください。
ブログメンタリングとは
カックさんが2017年から行なっている技術ブロガーを育てるための活動です。メンティに選ばれると1~3ヶ月間、週に1記事以上技術ブログを書いてカックさんからフィードバックをもらうことができます。ブログメンタリングの詳細は以下のスライドをご覧ください。
僕はカックさんのメンティーに選ばれてから、はてなブログのアカウントを開設し技術ブログを書き始めました。最初から週2記事更新を行なっていたのですが、ノルマ達成がかなり大変でした!
応募の動機について
話は変わりますが、僕が前回書いたブログ。必死な情報収集姿勢が話題になり、週刊はてなブログランキングで1位を取ることができました。もう当面1位には成れなさそうなので、紹介させてください!
記事に対してたくさんのフィードバックをいただき本当に感謝しています。特に驚いたのがこちらのコメントです。
エンジニアらしくなくて笑った
今でこそエンジニアをしていますが社会人キャリアのスタートは広告代理店の営業でした。会社が1年も経たずに倒産、そこからいろんな経験を経てエンジニアにキャリアチェンジしたのは20代後半になってからのことです(学生の頃から独学でWebサイト制作をしたりiPhone/Androidアプリの個人開発はしていました)。そういった経歴もあって、「会社に依存しない力を身に付けたい・自己ブランディングを向上させたい」という思いと「技術的なコンプレックスを克服したい」と考えていたので、技術ブログを始めるのは良いきっかけになるのではないか?とカックさんの募集ツイートを見て迷わず応募しました。そして、ホッテントリを達成することをかなり意識していました。
そういう背景があって「エンジニアらしくなくて笑った」というコメントに笑いました。ブログには人間性がでますね。
ブログメンタリングで学んだことと取り組み
ブログメンタリング期間はたくさんのアドバイスをいただきました。その中で今でも大切にしていることをいくつかご紹介します。たくさん書いたのですが、長くなったのでかなり削りました。。。
より良いタイトルを考える
僕は、ブログを書く上でタイトルを一番重要視しています。タイトル駆動ブログ
と言っても過言ではありません。タイトルを決めるのに毎回かなり時間をかけていて、例えば今回の記事は細かいものを含めると30回くらい修正をおこなっています。隠さずに言うと「たくさんの人に読ませながら、できるだけ不快にさせないタイトル」というのを心がけています。以下のリストは、いつも僕が考えている「タイトルを決める時の検討事項」をまとめてみました。全部を必ず入れられる訳ではないので、記事ごとに重要な要素を決めています。
- 短くまとめられないか
- 伝えたいことは盛り込めているか
- 検索しやすいか
- 抽象化して読者の対象を広げらるか
- 気の引く表現は入れられないか
- 過剰な表現になっていないか
- 主語が大きすぎないか
タイトルで伝えたいことが複数ある場合、記事を分割したほうがメッセージは伝えやすいよね。という話はカックさんからアドバイスを受けていて、それを実践したのが前回の情報収集のブログです。
今後も続くブログメンタリングのメンティーさんや他の技術ブロガーさんに向けて自分なりに学んだことや試したことを伝えようと思い情報収集術を1つの記事にまとめました。そして今回の記事が情報収集以外で「ブログを書く上で取り組んだこと」を卒業ブログも兼ねて紹介する構成にしようと考えていました。
黙読して読みにくい部分が無いかチェックする
一通りブログを書き終えたら頻繁に黙読を行います。読みづらいなと感じる部分があれば「句読点を入れる/取る」「言い回しを変える」「前後に移動する」「バッサリと削る」というようなことを意識して添削しています。
視覚的な強弱や緩急をつける
長い文章が続くと読み手も飽きるし疲れてしまいます。飽きさせない工夫として強調したい部分に太字をつけたり、囲み枠
をつけたりしてアクセントを加えます。それでも文章がずっと続いてしまうと読者も見ていて疲れてしまうので、区切りをつける目的も兼ねて画像/動画やリンクを適度に挟みます。
プレビューを見ながら黙読することで、見やすさと読み上げやすさの両方を意識して添削しています。
人にされて嬉しいことは自分から積極的にする
僕はブログメンタリングを始める前まで「ブログやWebサービスは面白ければ自ずとバズる!」と思っていました。でもこのアドバイスをもらってTwitterを見てみると、お互いの開発したWebサービスや技術ブログに対して積極的にフィードバックをしあっているユーザーがたくさんいることに気づきました。
それからは僕も他の方のアウトプットを積極的にインプットしてシェアをするようになりました。改めて振り返ると、そこからインプットの情報量が格段に増えたと思います。他にも「どんな情報がシェアされやすいか」を知ることができるので、自分から率先してフィードバックしていく姿勢はとても大切です。
フォローされやすいTwitterのプロフィールをつくる
ブログを始めた半年前はTwitterのフォロワー数が7 / はてなブログの読者数が1だったので、ブログを書いてTwitterに投稿しても誰も読んでくれませんでした。それを打破するために、カックさんと相談したりしながら自分だったらどんな人をフォローするかという視点でプロフィールを作成しました。プロフィールに入れている要素として「得意な技術」「活動内容」「実績」は基本的にいれながら、それ以外はイベント(例えば技術書典)などによって流動的に変化させています。これもカックさんのプロフィールをとても参考にしています。
情報収集先の収集
僕は海外のツールやサービスの情報収集を効率的に行いたかったので、情報収集先の収集をよく行なっています。一般的な検索方法かなと思っていたのですが、知らない人もいたのでご紹介したいと思います。vsサジェスト検索
と名付けているのですが大したものではありません。
Googleの検索窓で、知っている海外のサイト名を入力したらスペースで「vs」と入力してさらにスペースを押すとサジェスト候補がでてきます。知らないサービスの場合それを調査します。またそのサービス名からさらに同じように「vs」を入力して別のサイトを見つけます。ちなみにサイトでなくても言語やフレームワーク/ツール等でも使えるので知らない方は試してみてください。
SimilarWeb
というWeb解析サービスでも競合サイトの検索はできるのですが、たまに精度が悪い情報もでてきますし、Webサイト以外では使えないので基本的には上記の「vs」検索を利用します。
記事ごとに文体を使い分ける
僕のブログでは1記事ごとに一人称(僕と私)と敬体(です・ます)/ 常体(だ・である)を使い分けています。つまり大雑把に「僕・です」「僕・である」「私・です」「私・である」の4種類の書き方を試しています。理由はシンプルで、どの記事が多く見られるかを検証したかったからです。結論はでていません(全パターンでホッテントリをとることはできました)。
個人的に敬体の方が文章を書きやすくはあるのですが、文章が幼稚に見える時があるので書き方には注意しています。書く内容やメディアによって使い分けられるようにどの文体にも慣れておくのがいいのかなぁと思ってやっています。カックさんもご自身のブログでは常体ですが他のブログでは敬体を使っていますね!
カックさんのブログデザインパターン
上記のように自分なりに技術ブログの考察をしていると、他の方のブログの傾向が見えるようになります。
記事の読者層を限定しない書き方
カックさんは主に本のレビューブログを書くとき「限らないパターン」を使っています。参考までに2つの記事をご紹介します。
技術講師など「情報を伝えること」を仕事にしている人はもちろんのこと,例えば「新人教育を任されたエンジニア」だったり,メンバーと 1 on 1 をする機会が多くありそうな「Engineering Manager」だったり,幅広くオススメできる.
プログラミング初心者だけじゃなくプログラミング講師も読むべき一冊
「もちろんのこと」「だけじゃなく」といった書き方をすることで、記事の読者層を広げるように意識しているのではないかと思います。こういう目線で他の方のブログを読んでみるのも面白いですね。
デザインパターンをブログへ取り入れる
そしてこの「限らないパターン」ですが僕のブログでも取り入れています。前回の記事では導入部分で以下のように書きました。
技術ブログを書く人でなくても情報収集先として参考になる部分はあると思う。
主には技術ブロガーさん向けに書いた記事ですが、その幅を広げるため意識的に「でなくても」を使用しています。ちなみに別の記事でも使っているので興味があったら探してみてください(笑)
この事例のように僕は他の技術ブロガーさんから色んな影響を受けており、積極的に自分のブログに取り入れています。これを僕はブログサンプリング
と読んでいます。他の事例も後ほど紹介します。
ブログメンタリング期間中の成果
まずはPV数に関して4月から6月末までを表示したものをご覧ください。
- 週2本のブログノルマ達成
- 読者登録数 1→100名弱
- Twitterフォロワー数 7→200名弱
- SPAJAMというハッカソンの東京予選で入賞しました。その時の最優秀賞チームの作品やプレゼンが参考になりすぎて「これはブログにまとめないと!」と思ったのがこちらの記事です。
- ホッテントリ掲載数 3記事(2記事は同時にホッテントリ)
- はてなブックマーク総数 400前後
- カックさんと並んでホッテントリ取った時はタイミング見計らってキャプチャしましたw
ブログサンプリングの事例
メンタリング期間中にホッテントリした2つの記事については、他のメンティーさんの記事の影響をとても受けています。いつか感謝したいと思っていたのでご紹介します。
まずはこちらの「平成技術書史まとめ」です。参考にしたのがid:sadayoshi_tadaさんの「AWS 利用を促進する各種サポートページの紹介」という記事です。ホッテントリしていたその記事を見た時「特定の視点でまとめた技術記事はバズるのかも」という仮説を立てていました。その時タイミングよく発生したイベントが「改元」です。ここで「平成」を軸に技術トレンドをまとめられないか?と思い立ち、試してみたかったワードクラウドを取り入れることで見て楽しんでもらえるような記事を作りました。
次にこちらの「GitHubが作った謎のAPI?BOT?」です。id:mergyiさんの「PySnooperで楽々デバッキング」の記事の情報収集方法がとても参考になりました。そこから試行錯誤して自分なりの情報収集の方法を身につけ、その過程でGitHubのAPIを発見しました。これをちゃんと試して日本語で紹介すれば話題になるかも!?とワクワクしながら記事を書いたのを覚えています。
これらの事例から自分の身の回りにある情報や書き方や考え方などを積極的にインプットすることの重要性が伝われば嬉しいです。
ブログメンタリング後の成果
ホッテントリがとれたのはカックさんのサポートがあったからだよね。と言われないためにも「ブログメンタリング卒業後もホッテントリをとります!」という約束をしていました。現在までの結果はこんな感じです。
今後について
これからの目標について書きたいと思います。興味があれば読んでください。
自分の好きなことを書く
今までは僕のブログの読者を増やすための記事が多めでした。これからは自分の好きなことを多めに書いていくつもりです。「自分が作った面白いもの」でもホッテントリできたらいいなぁと思っています。どうか今後ともお付き合いください。楽しくブログを続けられるようになりたいです。
ブログ以外でもアウトプットしていく
登壇/ハッカソン/技術書典などアウトプットの形は色々あると思うのですが、僕は年初にテック系YouTuberデビューするぞ!と思っていました。でもまだ始められていないので、目指していきたいです。以前ブログでも紹介しましたが、海外のテック系YouTubeはクォリティもネタも面白く、まだまだ参入余地はあると思っています。
年初には技術ブログを始めるという気持ちは一切無かったので、人生何が起こるかわかりませんね。
まとめ
- @kakakakakkuさんのブログメンタリングを卒業した
- タイトルにはかなり力をいれるようになった
- 読まれる技術ブログのために「読みやすさ」「見やすさ」を改善していった
- ブログネタのインプットのために他の方のブログを分析した
- 色々0からのスタートでここまでこれたのが自分の自信に繋がっている
- ブログに書きづらくて省いたホッテントリを取るための仮説があるので誰かに話したい
さいごに
技術ブログを書き始めてから、僕自身こんなに成長を実感できるとは思いませんでした。そしてカックさんのメンタリングはとても貴重な体験になりました。僕にとって実質初めてのメンターです。「背中を押してくれながら、一緒に並走してくれて、時には前を走って背中を見せてくれる理想のメンター像」を見せていただきありがとうございました!
そしてキャリアや技術力に悩んでいるエンジニアこそ技術ブログを始めてほしいです。思いが強ければ必ず成長できる、と僕は自分の成果を持って伝えたいです。
さぁ!技術ブログを始めよう!