マラソン札幌案、選手らに動揺　「時間を返せ」「欺瞞」

　２０２０年東京五輪のマラソン会場を東京から札幌に移す案が、３０日から始まる国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）調整委員会で議論される。札幌移転案を発表したＩＯＣは「アスリートファースト」を掲げ、猛暑の中で走る選手への配慮を移転の理由に挙げる。一方、東京都や東京開催を前提に準備してきた陸上関係者からは「選手のことを全く考えていない」と批判の声も出ている。

　「現場は非常に怒っており、今回の変更案は受け入れられない。『アスリートファースト』の名を借りた欺瞞（ぎまん）だ」

　五輪マラソンの日本代表に内定している選手の関係者が、匿名を条件に取材に応じた。東京のコースに合わせて準備してきた選手は動揺し、憤っているという。

　マラソン選手は通常、実際に大…