「本当に怖い、でも戦い続ける」普通の香港市民が抱く、心震える思い

「長期戦」への覚悟が固まった
ふるまい よしこ プロフィール

――最近ではどんな活動が?

黄:10月にチャリティ活動で学生が私服で登校する「私服の日」があったんですが、学校のそばを通りかかったら、お昼ごはん時に学校から出てくる学生たちがみな身体にデモのスローガンを書いたステッカーを貼っていました。覆面禁止法の施行後でしたが、マスクもつけていましたね。うちの子も全身黒尽くめで登校しました。

 

――学校外の活動は?

黄:うちでは最初の4月のデモ文末注*1以降、認可された大型デモ*2には家族全員で必ず参加してきました。あとは、最近では10月1日の国慶節デモ、6日の覆面禁止法抗議デモにも。

10月6日は非合法集会だったので、ちょっと緊張したムードでした。マスクが禁止された後だし、マスクして「捕まるかも」と心の準備をして参加しました。でも行かないわけにはいかなかった。子どもたちも参加しました。ただ、彼らは自分たちの友だちと一緒でした。

上の子は塾があったのでわたしたちよりも早く家を出て、塾が終わってからクラスメートたちと一緒に午後からのデモに参加した。もちろん心配はしていました。わたしたち夫婦がコーズウェイベイ(銅鑼湾・商業施設が立ち並ぶ区域)を出てから湾仔(ワンチャイ)にさしかかった時に電話したら、もう彼女は目的地のセントラルに着いて引き返してくるところでした。

Google mapより。黄さん夫婦は、地図東側のコーズウェイベイから西に向かって歩いて行った

でも、その30分後くらいでその手前のアドミラルティで催涙弾の発射が始まった。わたしたちのところからはまだ距離がありましたが、前方を歩いていた人たちがわたしたちの方へと駆け戻ってきたんです。後から聞いた話によると、湾仔の地下鉄駅から機動隊が飛び出してきて、パニックが起きていたそうです。でも、後ろにいたわたしたちには前で何が起こっているのかわからない。衝突が起きたのかと本当に恐ろしかったです。

さらに、上の子たちのグループがこっちに折り返してきているところだったので、そのまま機動隊に捕まるのでは、と不安でした。警察は最近、15歳から30歳くらいまでの人をターゲットにしているので特に。

10月6日のデモ〔PHOTO〕Gettyimages