GIシリーズが中休みとなる今週は東西で4重賞が行われる。東京日曜日のメインは「第57回アルゼンチン共和国杯」(GII・11月3日・芝2500メートル)で、中距離路線の有力メンバーがそろって激戦必至だ。前走の勝ちっぷりが良かったアフリカンゴールドは去勢効果で落ち着きが出てきて、陣営の思い通りの調整ができるようになった。前走後さらに状態を上げており、重賞初勝利に向けて態勢は整った。
アルゼンチン共和国杯で重賞初勝利を狙うアフリカンゴールドは4月の烏丸Sで2着に敗れた後、去勢手術を行った。気性面に難しいところがあって、レースに集中できないどころか、調教すらまともにできない状況だったためだ。復帰初戦の7月のマレーシアCは4着に敗れたものの、前走の六社Sで鮮やかな差し切り勝ちを決めた。
「ようやく去勢の効果が出てきたようで、普段から落ち着きが出てきている。しっかり調教ができるようになったし、レースでも集中して走ることができるようになった」と、西園師は笑顔で愛馬を見つめた。
1週前追い切りは栗東CWで行われ、6F81秒3-38秒5-12秒4の時計を馬なりでマーク。特に目立った時計ではなかったが、鞍上ときっちり折り合っていた。前走から中2週でも長めから追うことができたのは、体力面はもちろん気性面が成長したことが大きい。
「とてもいい動きだったね。乗り手とコンタクトが取れていたし、間違いなく状態は万全。前走を使われて、ますます調子を上げているようだ」と、トレーナーは確かな手応えをつかんだ口ぶりだった。
昨年は夏から秋にかけて2連勝を飾り、10月の菊花賞(9番人気で12着)に駒を進めた晩成型。血統(父ステイゴールド)から今回の条件(東京芝2500メートル)は合うはず。師は「力をつけた今なら。ぜひ勝ちたい」と期待を込めて馬を送り出す。(花岡敦史)