今年中の三役昇進という目標を達成した朝乃山が、13年ぶりの4小結の一角に名を連ねた。福岡市中央区の高砂部屋宿舎で会見して「僕の予想では(前頭)筆頭だと思っていたんですけど…」。最初こそ表情は硬かったが、同席した師匠の高砂親方(元大関朝潮)の「笑え」のひと言で、白い歯がこぼれた。
「小結では終わらない。上の番付がある。それを目指して頑張りたい」
令和初の賜杯を手にした伸び盛りとして、期待の高さはひしひしと感じている。前頭2枚目だった秋場所は、初金星を含む10勝。上位総当たりで初めて勝ち越し、本格的な右四つの攻めの進化を示した。自身から大関の2文字を口にすることはなかったが、出世への意欲を隠さなかった。
発奮材料には事欠かない。同じ富山市出身のNBA・ウィザーズの八村塁(21)が、開幕3戦連続2桁得点の衝撃デビュー。「とても刺激になっている。負けないように切磋琢磨(せっさたくま)して、富山県を盛り上げたい」。年下に後れを取るつもりはない。
大躍進の一年納めの15日間へ「とりあえず勝ち越してから、2桁目指して頑張ります」と気合十分。新三役に続く有言実行で、2020年の大関とりへ第一歩を刻む。