フロリダ州立図書館(The Stae Library of Florida)が、1920年代から50年代にかけてアメリカで果物や野菜の配送に利用された、600枚の木枠ラベルコレクション The Crate Label Collectionをデジタル・アーカイブとして公開していたので、今回はご紹介します。
デザインが作成されてから100年以上が経過したいまでも、驚くほどユニークで多様なデザインそして印刷スタイルが使われており、ヴィンテージやアンティークデザインの参考に最適です。著作権フリーで商用利用できる点もポイント。
これぞ広告ビジネス、バイヤーの注目を引くデザインの数々
アメリカでは19世紀後半に鉄道が拡大したことで、常夏のサンセットやビーチ、優雅なヤシの木、ジューシーな果物など暖かい気候を求めて、フロリダに多くの観光客が押し寄せました。
1920年代に入ると果物や野菜の生産者は、鉄道で全国に配送する果物の木枠にカラフルなラベルを張りはじめ、他との差別化を図るためにさまざまなデザインを採用しました。
その後、第二次世界大戦が始まると、果物の多くは直接軍隊に配送されたため、カラフルな木枠ラベルの必要性がなくなりました。終戦までに、梱包や印刷技術の改善によって、木枠ラベルはほとんど使用されなくなりました。
1950年代半ば頃には、木枠の代わりにダンボールが農産物の出荷に使われるようになり、木枠ラベルは姿を消してしまったのです。
1920年〜50年代のヴィンテージラベル600枚以上が高解像度でデジタル化
フロリダ州立図書館のクレート・ラベル・コレクション(The Crate Label Collection)では、1920年から50年代にかけて実際に利用された、600枚を超えるラベルが保管されており、その多くがデジタル化され、検索可能なデータベースに追加されています。
それぞれブランド別、会社別、地域別、画像別に閲覧することができ、どれも4000pxを超える高画質のJPEGファイル形式で無料ダウンロードすることができます。
使用に関するライセンスはパブリック・ドメイン・マーク1.0で、著作権無しで営利目的であっても自由に複製、改変・翻案、配布できます。
では、実際に木枠ヴィンテージラベルの一部を見てみましょう。鮮やかな配色はもちろん、フォントの使い方やデザインレイアウトの参考にしてみてはいかがでしょう。
映画アメリカンアニマルズでも登場した「アメリカの鳥類」もパブリックドメイン化され、古いビンテージイラストの無料ダウンロードが開始されるなど、世界中のさまざまな作品が公開されていくかもしれません。
参照元リンク : An Online Collection of Colorful Fruit Crate Labels, 1920s-1950s – Kottke.org