「即戦力レベルのwebデザイナーが最低限持っている知識を1カ月で身に付ける」ということを目的としたドリルを作りましたので、皆様に公開します。
本ドリルは、約140ページの参考書兼問題集になっています。まずは出題される問題を解き、その上で解説を読んで理解し、再度問題を解きなおすのが基本的な流れです。
内容は、私たちが未経験デザイナーの採用を進める中で、「こういう知識は早い段階で身に付けておいてほしいよね」という知識をまとめました。また演習用のPSDもドリルに含まれています。(XD版は現在制作中)
身に付くのはあくまで「即戦力クラスの知識」であって、「即戦力」になれるわけではありません。デザインには、非言語・非定型なスキル領域も多々あるため、座学だけで即戦力にはなりません。しかしそれでも、ベースとなる知識は絶対に必要ですし、それを指南する参考書は、的を絞った学習の手助けになるでしょう。また、上長や先輩と、疑問点や現状の課題を確認し合うと、より効果的なインプットになると思います。
以下、ドリルの目次に従った、簡単な解説です。
目次
例えば車のエンジンを作るには、車全体の構造を理解している必要がありますよね。これに限らず、何かを作るとき、全体像を理解しているか・していないかは、作業のスピードやアウトプットの質に大きな影響を与えるもののです。そしてそれはwebデザインでもまったく同じです。webサイトのUIやコンテンツを適切にデザインするためには、webサイトやwebページといった「全体像」の理解が不可欠です。そこでこのドリルでは、webサイトの基本構造に関する解説と問題を最初に用意しています。
近年のwebサイトはモバイルファーストが求められることが多く、特にBtoC系商材のwebサイトにその傾向があります。一方でBtoBのようにまだまだPCが強い領域もあり、webデザイナーとしては、PCサイトもスマートフォンサイトもしっかりデザインできることが求められます。このドリルでは、多くのwebサイトが近年採用しているレスポンシブwebの考え方を特に取り上げています。ブレイクポイントなどはwebサイトによって方針が変わることも多いですが、基本的な知識があれば、コーディング担当者とのコミュニケーションもスムーズになるでしょう。
多くのデザインは、大→中→小と、大きなデザインから徐々にディテールのデザインに移っていきます。webデザインも同様です。そしてwebデザインにおける「大」とはページ全体のレイアウトを指します。つまりレイアウトは、webデザインでまず最初に着手するデザイン業務です。このドリルでは、ベイジで使われた実際のワイヤーフレームをもとにデザインを作りながら、レイアウトのポイントを学びます。またサンプルもいくつか紹介し、日頃から参考サイトを見て研究することの大切さも学んでもらいます。
配色はセンスと思われがちですが、根底には配色理論があります。商業デザインでは、必ずしも自分が好きな配色で作れるわけではなく、デザイナーはどんな依頼が来ても適切に配色できる必要があります。その意味でも、センスで配色するのではなく、基本的な理論を知っておくことが必要です。ドリルの中では、webデザインに限らず、色彩学などで扱われている基本的な配色の知識を解説しています。
webデザインの中で写真を扱うことは日常茶飯事です。そのためwebデザイナーには最低限の写真やレタッチの知識・技術が求められます。また写真をセレクトする審美眼も必要になってきます。しかしながら、写真のトリミングや選定基準についてwebデザイナー向けに実践的に解説された書籍などが少ないため、未経験のwebデザイナーにとって、写真はハードルになりやすいです。ドリルの中では、どうすれば品質の高い写真を選べるのかを詳しく解説しつつ、トリミングやレタッチの基本について学べるようにしています。