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女性活躍 壁を乗り越えるには!?
女性が活躍するために、大切なこととは。
人手不足が深刻化する中、女性がもっと活躍できる環境整備が求められています。出産や育児で、キャリアを途中であきらめる女性は少なくありません。女性に特化した就職支援を目指すスタートアップ企業を取材しました。
転職・独立へオンラインでスキル提供 受講生1万人
20~30代の女性100人が集まったイベント。参加者が熱い視線を送るのは、家庭と両立しながら第一線で働く、いわゆる“女性活躍”の先輩です。登壇した、元派遣社員で、現在は正社員という女性は「正直、専業主婦よりは充実している」と発表。副業でライターをしている女性は「会社を離れても、自分に残るスキルをつけたいと思った」と話しました。
このイベントを主催したのは、2年前に創業したスタートアップ企業、その名も「SHE」です。イベントの登壇者はこの会社の講座を受講して、転職や独立を果たし、新たな仕事を始めた人たちです。講座では、ウェブデザイナーやライターになるための技術をオンラインで提供し、受講生は1万人を超えました。
そして、自分に合った働き方を見つけてもらうために最も力を入れているのが、人生を振り返って、今後の目標を書き出してもらう作業です。男性と比べて女性は、思い描くライフプランが一人ひとり大きく異なりがちです。大事にしている価値観は何か、どんな働き方を望むのか。明確に意識して取り組んでもらうねらいです。
SHEの福田恵里取締役は「(女性は)仕事とプライベートのバランスの理想も全然違ったりするので、一緒に考えるということをやっている」と話します。
育児で退職後、在宅でウェブデザインの仕事をスタート
SHEの講座を受講後、自宅で新たな仕事を始めた日野美理さん。2年前まで企業の広報として働いていましたが、育児のためにキャリアをあきらめました。「子どもがいると、どうしても(働くことが)難しいとは聞いていたが、やっぱり女性って、そこ(家庭)で結構しばられちゃう」と感じたといいます。
日野さんは、育児の合間に在宅で仕事がしたいと、2か月かけてウェブデザインの技術を身につけました。しかし、いざフリーランスとして仕事を始めることには不安があったといいます。
そうした悩みを持つ女性のため、会社では独自の支援を行っています。卒業後しばらくは、会社が代わりに仕事を受注し、能力に応じて割り振ります。こうして自信を持った人の多くは、みずから仕事を開拓し独立していくといいます。
日野さんは今では、みずから営業をかけ、年間200万円の収入を得られるようになりました。SHEでは、女性が活躍できる機会はもっとつくり出せると、手応えを感じています。福田取締役は「われわれから旗振りして、社会の仕組みや会社としてのあり方を変えていけるように発信したり、改革を進めていけたりするとすごくいい」と話しています。
男性とか女性とかひとくくりで語ってしまうのではなく、個々の人がどういう状況で、どういうことを望んでいるのか。それに合わせた環境整備が必要になるんですね。
そうですね。そうして活躍する女性の成功例を一つ一つ積み重ねていくことで、新しいロールモデルができていくので、後輩の皆さんも「私もやれる」と続いてくれればと思います。