ニコニコ生放送中に40代男性が滑落
2019年10月28日14:40頃、雪が積もる富士山の山頂付近でニコニコ生放送のライブ配信を行っていた40代男性が滑落。
29日現在も行方不明になっている模様。
富士山山頂を1周するお鉢巡りの途中だったようで、滑落地点は山口屋と銀明館との間。
動画は「滑るなぁ。危ないなぁ。」などと話しながら歩いていた男性が突如転倒し、滑り落ちる所で終わっている。
ニコニコ生放送を視聴していたユーザーからの110番により静岡県警が捜索に乗り出した。
29日午前5時ごろから山岳遭難救助隊員10名が山中を捜索中だが、いまだ安否不明の状態。
閉山期間中の富士山に登ってもいいの?
現在、富士山は閉山期間中である。
夏山以外の期間(閉山期間中)は初心者の富士登山は禁止されている。
しかし、十分な知識と装備を備え「登山計画書」を提出すれば、自己責任において登る分にはOKということになっている。
(OKというよりは、登っても法的には罰則がないという感じか)
富士登山における安全確保のためのガイドライン
http://www.fujisan-climb.jp/risk/guidelines.html
雪山登山にはアイゼン・ピッケルなどの装備が必要
雪山に登るためにはアイゼンやピッケルなどの装備が必須です。
- アイゼン: 靴の裏につけるトゲトゲのスパイク
- ピッケル: 地面に突き刺すための小型ツルハシ
今回滑落した男性はアイゼンやピッケルなどの装備を持っていなかったようです。
ピッケルの使い方
海外の雪山で滑落した経験がありますが、一度転ぶと30mくらいはノンストップで落ちます。
滑落中に焦ってピッケルを地面に突き刺すと、頭から落下中の場合はピッケルの地面に突き刺したのとは反対側の部分で顔面を強打、そのまま気絶して滑落、死んだりします。
片手でピッケルを使うのも禁止、全体重が片腕にかかるので、滑落中でスピードが出ていると肩が外れてピッケルが握れなくなり、そのまま滑落、死にます。
滑落した場合は、
- まずはうつぶせの状態に体を反転する
- 頭が山頂、足が下になるように向きを整える
- アイゼン(足裏)を地面にひっかけて踏ん張る
- 両手でピッケルを握って地面に突き刺す
ピッケル(両手)、アイゼン(両足)を使ってブレーキをかける感じです。
雪山に行く時は装備を整えるとともに、こういうことを教えてくれるガイドさんを付けた方が良いです。
無知はまじで死にます。
雪は滑るし、転ぶし、落ちるので、「滑落するかもしれない」ではなく、登山中に数回は「滑落する」前提で行動しましょう。
滑り落ちても来た道を登り直すだけのパターンと、ここで落ちたら絶対死ぬって場所があるんですが、今回のニコ生滑落事件の映像を見た感じでは、ルート外の方向へ滑落してますが装備があれば登り返せるポイントだと思われます。
ニコニコから動画が削除される
ニコニコ生放送およびタイムシフトはニコニコの運営によって削除されたようです。
ニコ生主が無事だったら削除する必要がない気がするので、つまりはそういうことなんでしょう。