佐々木正悟のライフハック心理学

ビジネス書作家・佐々木正悟の公式ブログです。なるべくならお役立ち情報を出していきたいと思っています。

先延ばししない人なんていない。タスク管理はゲームです

ツイッターを引用するというのは気が引けます。ツイッターにはツイッターでお戻しするべきではないだろうか、という感覚的な抵抗感があるのです。

ただ、なんとなく長くなる予感があるので、ブログの方に書きます。

ここのところ書いていることなのですが

  • 食欲はあっても、料理欲というものはない(いま誤変換が起きましたから、事実そうなのです)。
  • 睡眠欲はあっても、ベッドメイク欲というものはない。
  • 排泄衝動は起こっても、トイレ掃除欲というものは生じない。

のです。

私たちは個人主義の時代に自由人として生きています。(個人差も異論もあるでしょうが、とりあえずそういう前提で進めます。これは政治の話ではありません)。

(常識の範囲内で)自分のやりたいことをしていいのです。

しかし、やりたくないこともやらなければならない人が多いはずです。

仕事の〆切は守れる。しかしそれは「〆切守り欲」のおかげではなく、嫌悪刺激(叱責や減給など)を回避したいという欲求があるからです。

何かの振り込みや、役所の手続きなどは、仕事の〆切よりもさらにハードルが上がります。振り込み欲も手続き欲もあるはずがない。

しかも、嫌悪刺激がやってくるのは遅いのです。(延滞料金などが発生するのは非常に強い不快感があると思いますが、ダイレクトに「叱責される」ほどではないという人も多いでしょう。また、ちょっと遅れて行って「役所の人に叱責されるかも(されることはまずない)・・」と思ってしまう人もいて、それは超過のペナルティより不愉快かもしれません)。

だからこそタスク管理/スケジュール管理しよう!という人もいらっしゃるとは思いますが、私はそうは思いません。それで問題が解決するとは、思えないのです。

私はこういう本を何冊か書いていますが、タスク管理で「先延ばしクセ」を修正できるかどうかは、ちょっと無理なところもあると思っています。うまくいく人もあるでしょう。

 

なぜ,仕事が予定どおりに終わらないのか??「時間ない病」の特効薬!タスクシュート時間術
 

 

 いまいちど引用させていただきまして恐縮です。

「決めたら決めた通りにできる」人などというのは、この世にいないに等しい、というのが私の見るところです。

「決めたら決めた通り」というのは「タスク管理」というものに対する、よくある誤解でもあります。「決めたとおり」にできるわけがありません。

ならばどうしたらいいのか?

まず「先送り」「先延ばし」という表現を「なるべく使わない」ところから始めるのがいいかもしれません。

私はこれをタスク管理している人間として「並べ替え」と言い換えます。

  • 昼食
  • 歯磨き
  • コンビニで住民税を払う

とあって、とりあえず「歯磨き」まではできたとして(これは歯をスッキリさせたいという衝動が起こるのでやれる人が多い)住民税など払いたいと思うことはまずあり得ない。

  1. 昼食
  2. 歯磨き
  3. ネットゲーム
  4. SNS
  5. 休憩
  6. 住民税を払う

このように並べ替えてみます。おそらく3〜5までは順調にいくでしょう。ゲームをして、SNSをして、また疲れてしまうので、そこで休む。

6はまたしても難しいかもしれません。

  1. 昼食
  2. 歯磨き
  3. ネットゲーム
  4. SNS
  5. 休憩
  6. 読書
  7. 昼寝
  8. 日の入り
  9. 暗くなって気分が落ち込んでぼーっとする
  10. 住民税を払う

9くらいまでは自然と進むでしょうが、10にさしかかるとまたしてもやりたくないと思う。

このように何度か「並べ替え」をしてみると、とてもよくわかってくることがあるのですが、こんな「並べ替え」はなんと言うこともないことです。とてもよくある、きわめて理解しやすい、ごくごく自然の行動でしょう。

なのになぜかだんだん仰々しくなってしまうのです。「先送り」という表現にはその仰々しさがよく見受けられます。(だから私は使いたくないのです)。人に「罪悪感」を持たせようとしている。「住民税の延滞」が「罪悪」でしょうか? とんでもないことです。

心のどこかで「最悪自分が困るか謝るか重い罰を受ければいいや」と思ってしまってる

冒頭引用の再掲です。私はここにとても引っかかったのです。 どうして「重い罰」をうける必要なんて、あるでしょう。〆切に間に合うギリギリまで仕事を引き延ばして、つい〆切を過ぎてしまう。

それは自然のことでしょう。そんなに悪いことであるはずがない。

払いたくないものを払わずにずるずるとマンガを読んでいるうちに、約束期日を過ぎる。非常に人間的で、非常に自然の行為です。「重い罰」には全く値しない。とんでもない。

私が「並べ替え」で「住民税」の前に並べ立てた、SNSやマンガやネットゲームや休憩/昼寝などはつまり、「リラックスを求めていることの象徴」という意味です。

なぜか緊張感が高くなりすぎている。「重い罰」とか「最悪自分が困れば」という表現に、それを感じさせられました。もっと軽〜い気持ちでないとやれない。イージーなことは、イージーにやるのがよいと思うのです。

先に、食欲はわいても、料理欲はわかない、と書きました。空腹で、いまにも倒れそうになってから、夜中に食材を買い出しに行ったら、誰だって暗ーい気持ちになるでしょう。

もっとイージーにやりましょう。料理は、だれーでもできそうな、それこそ小学生にでもやれそうなものを、ちょろっと、できれば満腹時に3分くらいかけて、作っておいた方がラクでイージーなのです。

それが「タスク管理」では「タスクを小分けにする」などといったあいもかわらず仰々しい表現になってしまうわけですが、緊張感は極力無縁にしておきます。

「決めたら決めた通りにできる」人などというのは、この世にいないのです。私はタスク管理していますが、そんなできた人間でも立派な人間でもありません。

雨の中、傘を差して、住民税を払いに行くくらいだったら、FANZAで動画を探している方がずっと気持ちよさそうだと思うに決まっているではありませんか。

「決めたら決めた通りにできる」人などというのがこの世のどこかにいるように思うなんて、そんな緊張感が高まりそうな発想は、いっそ捨ててしまいましょう。

まあ、気が向いたら延滞料金まで払うのはばかばかしいから、コンビニに行くといいのです。ついでに無駄でもリラックマグッズでも買ったりして。

  1. リラックマグッズを買いにコンビニへ
  2. 住民税をついでに払う

きっとこれをあれこれ悩まずにやれてしまうタイミングが、長い人生のどこかにはきっとあります。それを見逃さないようにしたいのです。

タスク管理とは、そのタイミングを見つけるゲームなのです。