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2019-10-29

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・これはなにかに似ているなぁ、と、
  ずっと思いながら会社見学をしていました。
  やがて「そうだこれは大学のキャンパスの雰囲気だ」
  うまく伝えられないのですが、たぶん、
  ここを見学した人は同じような感想を持つと思います。
  この土地と施設全体を、この会社では「キャンパス」と
  呼んでいるということも後で知りました。
  ぼくらは、中国杭州にあるアリババ本社に来ています。
  「天猫国際」という市場で出店している関係で、
  ミーティングと見学をすることになったのでした。
  大きい企業というより超がつくような巨大企業と、
  あえて超はつけませんけど小企業の関係ですが、
  なぜか会社のなかに「ほぼ日」のお客さまも多いらしく、
  とても丁寧にいろんな場所を案内してくれました。

  企業だけれど学校みたい、ということの大きな理由は、
  ぼくのひとつの想像ではあるのですが、
  アリババという会社の創業者であり、
  つい先日経営トップを退いたジャック・マーさんが、
  英語の先生だったからではないかと考えるのです。
  組織のかたち、チームの在り方をどうするかについては、
  どうしてもリーダーの頭のなかにある
  「原イメージ」みたいなものに近づくと思うのです。
  昔のリーダーだったら、軍隊のイメージで
  組織のかたちや環境をつくることも多かったでしょう。
  やがては、軍隊ほどではなくても
  ヒエラルキーの機能する「いわゆる会社」のイメージで、
  組織をつくっていくのが一般的になっていった。
  でも、思えば「学校」のようなイメージの組織が
  経済活動をするというスタイルだってありえますよねー。
  日本の大きな私立大学の経済のスケールだって、
  いわゆる大企業の規模だったりもするわけですし、
  会社が学校に似ていくという方向も、
  あっても全然おかしくはないですよね。
  特に、会社というチームのなかの「教え教えられ」は、
  ものすごく重要な仕事ですからね。
  むろん、「学校」にかぎらず、「劇団」だとか
  「バンド」「家族」のような組織も現にあるわけですし、
  これからも、どんどん試行錯誤は続くのだと思います。
  今日にも東京に戻りますが、刺激的な会社見学でした。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
若い人々よ、若いうちにいろいろ見て聞いておきなされよ。


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