宝塚歌劇団出身で、テレビドラマ「岸辺のアルバム」などに出演し、幅広い役柄で親しまれた女優の八千草薫(やちぐさ・かおる、本名=谷口瞳=たにぐち・ひとみ)さんが10月24日午前7時45分、膵臓(すいぞう)がんのため東京都内の病院で死去した。88歳だった。連絡先は所属事務所の柊(ひいらぎ)企画。告別式は近親者で行った。
大阪市出身。1947年に宝塚歌劇団に入団し娘役として活躍、51年に映画デビュー。57年の退団後は映画やテレビ、舞台などで幅広く活躍した。代表作に映画「宮本武蔵」や日伊合作の「蝶々夫人」、テレビドラマ「岸辺のアルバム」「シャツの店」「女の言い分」など。年齢を重ねても若々しさを失わない清楚(せいそ)なイメージが好評を得た。
山歩きが趣味で、85年には旧環境庁の自然環境保全審議会委員も務めた。夫は「暁の脱走」などの作品で知られる映画監督の故谷口千吉氏。
2003年旭日小綬章。17年に膵臓がんが見つかり、18年1月に手術を受けた。術後もドラマや舞台出演を続けていたが、19年に肝臓にもがんが見つかり、同年2月、治療に専念するとして休業を発表していた。