若井琢水
台風19号の影響で約1万3800棟が浸水した栃木県栃木市では、70年近く続く小さな古本屋も大きな被害を受けた。売り物の古書10万冊が水浸しになり、店長は途方に暮れた。一時は廃業も頭によぎったが、県内外から駆けつけた古書店仲間の励ましを支えに、再出発を決意した。
市中心部近くの住宅街にある「吉本書店」の店長、吉本京子さん(65)。店は4年前に亡くなった父一(はじめ)さん(享年90)が1950年に駄菓子屋を兼ねて開業した。広さは10畳ほどだが、約13万冊の蔵書は市内随一だった。
台風が通過した13日朝、吉本さんが倉庫に駆けつけると、周辺の水は引いていた。かすかな希望を胸に引き戸に手をかけたが、動かない。強引に開けて入ると、積んでいた本が崩れ、一面に散らばっていた。
泥水を吸った本は固まってペー…
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