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Special コラム  十勝晴れ

【第27回】「なつぞら」が十勝にもたらしたもの

とうとう最終回を迎えた「なつぞら」。半年間27回にわたってお届けしてきた本コラムも、今回が最後です。十勝の魅力を感じていただけたでしょうか?最後は、これまで隔週で担当してきたイラストデザイナーYとライターTが共同でお届けします!

イラストデザイナーY:これまでのコラムを十勝の地図にまとめてみました。いろいろ取材しましたね。

ライターT:私たちのコラムもイラストにしていただけてうれしいです。色彩豊かで、とってもかわいらしい。半年間の取材の日々を思い出します。

イラストデザイナーY:十勝の人は初対面でも優しく受け入れて、仲間にしてくれるので居心地が良いですよね。住んでみてもそう思いますし、取材のときも思いました。農家さん主催のイベントなど、おもしろい取り組みが多いと感じていましたが、その根底には“開拓者精神”があったのだと、「なつぞら」をとおして気づきました。

ライターT:十勝の人は郷土愛が強いですよね。だからこそ、十勝ならではの楽しいコンテンツがたくさんあります。コラムの取材をとおして、初めて知ることがたくさんありました。

イラストデザイナーY:わかります。十勝に移住してから8年がたちましたが、今回の取材をとおして、十勝のすてきなところを再発見しました。

十勝の自然と人とのかかわりのなかで築かれた有形・無形の宝物。さて、「なつぞら」は十勝にどんな影響を与えたのでしょうか?「なつぞら」の撮影に協力された帯広観光コンベンション協会の鈴木専務にお話を伺いました!

鈴木専務は、昭和28年生まれで、十勝生まれの十勝育ち。幼いころの記憶と劇中のシーンが重なり、馬車やトテッポの場面などを懐かしい気持ちで見ていらっしゃったそうです。おしゃれをしてトテッポに乗り、帯広で食事をした楽しい思い出がよみがえったのだとか!

誇るべき地元に!

ライターT:「なつぞら」が放送される前と後で、変化はありましたか?

鈴木専務:大いにありました!まず、「ロケ地に行きたい」といったお問い合わせがたくさん来るようになりましたね。観光客も増え、場所によっては観光客がほぼいない状態から4万人近くまで激増したところもあります。管外で暮らす十勝出身の知人からは「鼻が高い」と連絡が来ましたよ(笑)。以前は「十勝には何もない」という声をよく聞いていました。地元の人たちが当たり前に思っていたことが、「なつぞら」をとおして、他の地域の人から見ると特別だと気づき、酪農や観光に携わる人をはじめ、十勝に誇りを持てるようになった人が増えたと感じています。

ライターT:地元を誇りに思えるって、すばらしいことですよね!

鈴木専務:はい、私自身も「なつぞら」をとおして、新しい美しさに気づきました。十勝の景観は、以前からすばらしいと思っていましたが、「なつぞら」で撮影された牧草地を上から見下ろす視点はとても新鮮でした。いままで見ていたのと同じ場所なのに、見る角度が変わるだけでこんなにも違って見えるのかと驚きました。劇中に登場したような大自然や広大な牧草地を体感できる場所は、十勝中にあります!この発見を生かして、訪れてほしい場所を紹介するだけではなく、ビューポイントを設置して、「ここから見ると特にすてきですよ」ということまで案内できればと思っています。

これからのこと

ライターT:今後の十勝の展望について、教えてください。

鈴木専務:劇中で使用された農機具や自転車、アトリエにある天陽くんの絵画などを譲り受けたので、展示してみなさんに楽しんでほしいと思っています。また、ドラマでも描かれた厳しくも美しい十勝の冬。この冬を多くの方に体感していただくために、いろいろと計画中です。たとえば、まっさらな雪原に倒れ込む体験!あれはたのしい(笑)。十勝でやってみてほしいことのひとつですね。

ライターT:旅行の楽しみといえば、グルメ。十勝の乳製品やスイーツは本当においしいので、ぜひ味わっていただきたいです。

鈴木専務:十勝は、農業の発展とともにおいしい加工品が生み出されてきた地域です。実は、「なつぞら」を機に全国的な知名度を誇る「十勝産小豆」や乳製品を使用した商品開発を進めてきました。チーズをふんだんに使った新商品は大好評で、一時期は生産が追いつかないほどでしたよ。今後は、スイーツを十勝の観光資源として改めて位置づけ、スイーツを巡るツアーなども検討する予定です。

ライターT:「なつぞら」の放送が終わっても、十勝はまだまだ盛り上がっていきそうですね。

鈴木専務:そうですね。晩成社を率いて十勝を開拓した依田勉三とヒロインの広瀬すずさんには共通点があります。“静岡出身”ということです。偶然とはいえ、知った時は驚きました。開拓から130年余り、静岡から再び開拓者が訪れ、十勝を切り拓いてくれたと思っています。しかし、「なつぞら」効果は永遠ではありません。2〜3年で落ち着くと想定しています。その時までに何ができるかが大切です。これは私たちの「開拓」であり、原点回帰でもあるのです。

泰樹おじいちゃんが感動した、開拓者を励ます朝日。「なつぞら」は十勝にとって、朝日のような存在になったと思います。「十勝には何もない」と言っていた人も十勝の魅力を再確認し、誇らしく思うきっかけになりました。
「なつぞら」は終わりを迎えますが、朝日に励まされた十勝の「開拓」はこれからも続きます。

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