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 神戸市立東須磨小学校で横行していた教員間の暴力・暴言問題は、市教委の調査委員会が発足し、弁護士が実態解明に乗り出した。市教委などによると、一連の加害行為は、被害者の男性教員(25)が2017年春、新人として同小に着任してまもなく始まったとみられる。学校側が有効な手立てを打たず、行為がエスカレートしていった状況が浮かび上がっている。

 加害教諭4人のうち、30代の男性2人は15年春から同小に在籍。うち1人(A)は18年度、校内でのセクハラまがいの発言のほか、先輩教諭へのなれなれしい口調や呼び捨てが問題化した。学校は個別の指導や職員全員への研修をしたが、問題行為はその後も続いた。

 この教諭は、被害教員に対し、プロレス技をかける▽ロール紙の芯で殴る▽車の上に土足で上がる▽同僚女性にLINEで性的なメッセージを送らせる――などの嫌がらせ行為を繰り返した。もう1人の教諭(B)は、この教諭の行為をはやし立て、自らも暴言を浴びせたり、書類を投げて渡したりしていたという。

 被害教員と同じ17年春に着任した40代女性教諭(D)は「クズ」「犬」などの暴言をはき、懇親会の席で飲酒を強要するなどした。

 翌18年春に着任した30代男性教諭(C)も加わり、暴力や暴言を繰り返した。複数の加害教諭が、被害教員に激辛カレーを無理やり食べさせたのはこの年9月の出来事だった。

 関係者によると、年末になり、被害教員が意を決して当時の校長(今春に異動)に被害を相談しようとしたが、この前校長は「(加害教諭に)お世話になっているやろ」と話をさえぎり、取り合わなかった。

 市教委の調査では、被害教員が前校長から話を聞いてもらえたのは、翌19年2月、別の教員が前校長に「被害教員へのふざけがひどい」と訴えた後だった。ただ、前校長は被害教員がこのとき「大丈夫です」と説明したとして、具体的な内容は聞き取らず、加害側を口頭での注意にとどめた。

 当時、東須磨小の教頭として前…

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