【10月26日 AFP】自動車大手ゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)の従業員が25日、GM側との新たな労働協約を投票で承認し、過去50年近くで最長となる40日間に及ぶストがようやく終結した。
 
 GMと全米自動車労組(UAW)の発表によると、新協約では、昇給、協約改定時の(正社員)1人当たり1万1000ドル(約120万円)のボーナス、非正規従業員の正社員登用の迅速化などが認められるほか、医療費の自己負担率引き上げは撤回された。

 40日間に及んだストライキにより、GMの米工場は事実上、操業停止に追い込まれた。アナリストらによると、今回のストによるGMの損失は1日当たり1億ドル(約110億円)とみられている。また、米ミシガン州や中西部の主要製造工場では逸失利益が数千万ドルに及び、経済にも打撃を与えた。米自動車市場の停滞が進むとの見方が強まる中、UAWが雇用安定化に向けて圧力を強める一方、GMは経費削減を模索。厳しい交渉の末、GMとUAW双方が妥協点を示した合意となった。

 UAWを代表してGMとの交渉に当たったテリー・ディッテス(Terry Dittes)副委員長は、「犠牲を払い、勇気ある行動」に踏み切った組合員らを称賛。一方、新協約ではGMの米4工場の閉鎖計画のうち3工場の閉鎖が決まった。この3工場は2018年11月にGMが資金援助を打ち切ったことで組合の怒りを買っていた。

 今回の投票によって、ストに参加していた5万人近くの従業員が早期に国内31工場に復帰するとみられている。(c)AFP/John BIERS