［競馬］スワンＳ　ダイアトニック重賞初勝利でマイルCS切符

　「第６２回スワンＳ」（ＧＩＩ・２６日・京都・芝１４００メートル）は中団やや後ろを進んだ単勝１番人気のダイアトニックが直線抜け出したモズアスコット、マイスタイルの外からゴール前差し切り、重賞初勝利を飾るとともに「マイルＣＳ」（ＧＩ・１１月１７日・京都・芝１６００メートル）への優先出走権を獲得した。クリストフ・スミヨン騎手（３８）は同レース２勝目、安田隆行調教師（６６）は初勝利。モズアスコットが２着、マイスタイルが３着だった。

　１番人気のダイアトニックが、世界的名手スミヨンに導かれ重賞初制覇を飾った。好発から、道中は後方待機策。直線で大外を伸びると、最後はＧＩ馬モズアスコットとの追い比べに。激しいアクションで、メンバー最速となる上がり３Ｆ３３秒６の豪脚を引き出し、鼻差でゴール前差し切り、勝利を射止めた。

　「相手が差し馬なのは研究して分かっていた。その後ろで心配したが、最後はよく伸びてくれた」と相棒をたたえた鞍上。エピファネイアの２０１４年ジャパンＣ以来、約５年ぶりとなる日本での重賞勝利をかみしめた。

　７年ぶりに短期免許を取得。０９年にキンシャサノキセキで日本の重賞初勝利を飾った思い出の一戦で存在感を示した。２７日の天皇賞・秋はＧＩ２勝の３歳馬サートゥルナーリアで臨む。「自分の力で、馬の強いところを見せたい」。大一番へ向けて最高の形で弾みをつけた。

　これで京都５戦５勝としたダイアトニックは「マイルＣＳ」の優先出走権も手にした。新潟で見届けた安田隆師は「今後は未定。オーナーと相談して決めたい」と話すにとどめたが、視界が広がったのは間違いない。勢いに乗った人馬が、秋の日本競馬を盛り上げていく。　（京都競馬取材班）