統計学的手法を用いない世論調査はゴミと同じだ
先日、ネット上のニュースを見て驚いた。〈「東京でマラソンを見たい」札幌案に6割が反対〉(「テレ朝ニュース」10月19日)という記事。内容はこうだ。
〈来年の東京オリンピックの「マラソン」と「競歩」を札幌市で開催する案が浮上したことを受け、東京都には18日までの2日間で223件の意見が寄せられました。このうち「東京でマラソンを見たい」など約6割の129件が反対意見でした。一方、「選手の健康と安全を考慮すべき」など賛成意見も26件あったということです〉
羊頭狗肉である。これはわざわざ都庁に電話したヤツのうち6割が反対だったというだけの話。「6割」と見出しに数字を打つのは意味がないだけではなく社会を間違った方向に導きかねない。電話が1本しかなくそれが反対意見だったら「10割が反対」と報じるのか。このような数字の悪用は少なくない。