堀江貴文登場「歯の健康シンポジウム」――痛みがない“サイレントキラー”の歯周病に備えるには?
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白い歯や爽やかな息は身だしなみのひとつ。特に、第一印象が重要なビジネスパーソンにとっては、日頃からしっかりケアしたい要素です。最近では糖尿病や認知症などの疾患と歯周病の相関性も分かってきており、オーラルケアの重要性は高まるばかり。
日頃からお口の健康を啓蒙している日本歯科医師会は、Panasonicの協賛のもと、『歯の健康シンポジウム 2019秋』を開催。インフルエンサーの堀江貴文氏をゲストに、ビジネスパーソンのオーラルケアの重要性や正しい歯の磨き方などが語られました。
歯周病によって歯が抜けるリスクに備えよう
シンポジウムは、日本歯科医師会常務理事を務める小山茂幸氏の基調講演『ビジネスパーソンの歯科疾患』で幕を開けました。
1992年に始まった、80歳で20本の歯を残すことを目標とした「8020運動」を取り上げ、「開始当初は20本の歯が残っている80歳は7%程度だったが、2017年では51.2%を超える」と運動の成果を発表。その一方、平均20本以上の歯が残っているのは69歳まで、70歳を超えると減っていくことを指摘します。「平均20本以上の歯が残っている年齢を70歳以上に引き上げることが必要」と語りました。
小山氏によると、「歯が抜ける要因は若年世代では虫歯、50代からは歯周病が増える」とのこと。このあと、実際の口内写真などを使いながら、歯周病の原因や症状、リスクとなる生活習慣などを解説。歯周病を始めとした口腔内健康の悪化が全身にどのような悪影響を与えるかなどに話が及びました。
「現在では、歯周病と糖尿病の相関関係が分かっています」と小山氏。また、残った歯の本数による認知症の発症率や医療費の推移などを紹介し、かかりつけ歯科医を持つ重要性で講演は締められました。
歯周病は、痛みがない“サイレントキラー”
基調講演に続き、小山氏は「パフォーマンスを向上させる、歯と口の健康意識改革」をテーマに堀江貴文氏と対談。実業家でありインフルエンサーとしても有名な堀江氏ですがが、一般社団法人予防医療普及協会の理事を務め、「健康の結論」「むだ死にしない技術」などの著書もあります。
堀江氏は、歯周病対策の重要性について指摘。曰く「虫歯は痛くなるから歯医者に行って治療する。歯周病は痛みがないから怖い。気づいたら歯茎をやられて歯が抜ける。糖尿病と同じサイレントキラー」と語ります。このあたりは、小山氏の講演でも触れられた通り。
堀江氏、小山氏に共通するのは「虫歯や歯周病を予防するには、日常のケアと定期的な検診が必要」という意見です。
堀江氏は普段、歯ブラシによるブラッシングに加えて、歯間ブラシ、デンタルフロスも使っているそうです。「現状、歯間ブラシやデンタルフロスはまだまだ普及していない。重要性がもっと広まるべき」との考えを明かしました。具体的なオーラルケアに話が及ぶと「朝と夜。就寝時は唾液が減り口内に細菌が繁殖しやすいので夜と朝にしっかりと磨くようにしている」と語りました。
ちなみに、堀江氏が使っている歯ブラシは、今回のシンポジウムに協賛しているPanasonicの電動歯ブラシ『ドルツ』。曰く「タテとヨコの動きがあって、めちゃいい。毛先が(歯周ポケットに)入っていく感じ」とのこと。
小山氏は、日常のケアに加えて歯科での定期的な検診も重要性を指摘します。堀江氏もその意見に同意。自身も3カ月に一度は歯科での検診や歯石クリーニングを行っているのだとか。
「歯間ブラシやデンタルフロスの販促や歯科での定期検診の重要性は、もっと啓蒙されるべき。Panasonicさんを始めとした歯ブラシメーカーは、歯ブラシだけでなく、それらの重要性もCMなどで触れて欲しい」と語りました。
歯周病は口臭の原因。口臭予防のためにも定期的な通院が有効
今回の対談では、行動変容の重要性も取り上げられました。小山氏からは「健康な人ほど検診を受けている」という指摘があり、堀江氏も「歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯科で定期検診を受けている人はかなり意識が高い」とコメント。重要なのは、意識が高くない人をどのようにして動かすかです。
堀江氏は、「検診を義務化し、受けずに虫歯や歯周病になったら、全額自己負担といえば、まあまあ来るようになるはず」と健康保険制度の改革や会社の定期検診で歯周病のチェックを行うことなどを挙げました。
小山氏は、デンソーの取り組みを紹介。デンソーでは、健康保険組合が加入者の歯のQOLの向上に向け、地域の歯科医師会と連携し無料歯科健診を実施しています。デンソー健保組合の分析によると、継続的に歯科健診を実施している集団は、医療費が減少、もしくは横ばい、歯周疾患がある集団は、歯周疾患がない集団と比較して医科医療費が高いことが分かったそうです。「最初の2年は(診断に費用がかかるため)医療費が高くなったが、その後は(予防医療で疾患が減り)安くなった」と小山氏。
堀江氏は、「企業で歯周病予防に取り組むのは、会社の利益にもつながる。歯周病は口臭の原因だが、口臭がある営業マンよりない営業マンのほうが成績はいいはず」と述べます。理事を務める予防医療普及協会では、口臭通知代理サービス「くちくさえもん」を提供しているのだとか。「歯周病を患っていると、自分の口臭に気づきにくい。口臭があることがわかれば、歯医者にいく強い動機にもなる」と語りました。
歯周病を予防するブラッシングは「バス法」と「スクラビング法」
小山氏と堀江氏の対談は盛り上がりのなか終了。シンポジウムは、歯科衛生士による正しいブラッシング講座へと移ります。
歯科衛生士の濱田真理子氏によると「歯周病の予防に有効な磨き方は、バス法とスクラビング法」なのだとか。バス法は、歯ブラシの毛先を45°の角度で歯と歯肉の境目に当てて軽い力で小きざみに動かす方法で、歯周ポケットの汚れを落とします。スクラビング法は、歯ブラシの毛先を歯に直角にあて、軽い力で小きざみに動かし歯垢を除去。いずれも、ヨコ方向の細かい動きが重要になります。Panasonicの電動歯ブラシ『ドルツ』は、バス法とスクラビング法のヨコ磨きを、歯に押しあてるだけで実現するといいます。
シンポジウム終了後には、『ドルツ』の体験会や歯科衛生士への歯科相談が実施されていました。
今回のシンポジウムでは、かかりつけ歯科医を持ち、定期検診をすることで歯周病を予防する重要性が語られました。個人だけでなく、企業も一丸となり予防医療を行うことで、社員の健康増進、口臭予防による営業成績の向上といったビジネス視点の提言もあり、示唆に富む有意義なシンポジウムとなったのではないでしょうか。
Photo: ライフハッカー[日本版]編集部
Source: 日本歯科医師会 , パナソニック(オーラルケア) , くちくさえもん
林田孝司
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