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じゃらんnet>じゃらんニュースTOPページ>関東>【ラーメン官僚が太鼓判】関東エリアで訪問すべき、2019年の新店10選!東京以外にも、優良店が続々
2019.10.12
前回の特集では、2019年にオープンしたおススメ店舗から、対象エリアを都内に限って10軒紹介させていただいた。
だが、優良店は何も、都内だけに集中しているわけではない。
東京都以外の関東各県(埼玉・千葉・神奈川・茨城・群馬・栃木)にも、訪問する価値のある店舗は、星の数ほど存在する。
10月に入り、「永遠に続くのではないか」とさえ思われた夏の暑さも、ようやく終息を迎えつつあるところ。夏場は、あまりもの暑さに「汁ものなど食べる気がしない」と敬遠されていた人たちも、これからの季節であれば、「天高く馬肥える秋」の諺どおり、ラーメンに舌鼓を打つことができるだろう。
そこで、今回は秋の行楽等のお供として、都内以外の関東各県のおススメ店舗を10軒紹介させていただきたい。
前回の特集と平仄を合わせるため、今回もまた、対象を2019年1月以降にオープンした新店へと絞り込んでみた。この特集を参考にしていただき、お気に入りの1軒を見付けてくれれば、私にとってこれ以上の喜びはない。
前回の特集はこちら
2019年オープンの「ラーメン店」から選んだ至極の10杯【東京】
2019年6月12日、久喜市と白岡市の境界付近、長閑な田園風景が広がる郊外に、1軒の新店が誕生した。
それが、今回ご紹介する『食煅もみじ』だ。
店主・紅葉氏は、『麺屋武蔵』グループにて14年間修業し、満を持して独立。「アッサリした清湯ラーメンが個人的に好みでして。私の地元は北海道なんですが、勉強できるラーメンのバリエーションが豊かな首都圏に出てきたわけです」。
同店で提供しているのは、「中華そば」「塩そば」「つけそば」の3種類。いずれも甲乙つけがたい出来映えを誇るが、特におススメしたいのは「つけそば」。
噛み締める度に小麦の芳香が鼻腔をくすぐる麺は、自家製。全粒粉を活用し、ほど良い和風感を演出するギミックも面白い。
ズバンとタレを利かせ、酸味と塩味とを相拮抗させたスープも、ありそうで中々ないテイスト。
その他、麺に「海苔の出汁」を掛けるなど、用いる素材から味の構成に至るまで、その存在は、間違いなくオンリーワン。ラーメン好きなら必ず食べておきたい1杯だ。
ロケーションは、「所沢総合食品地方卸売市場」の敷地内。都内の実力店『㐂九家』の3号店として、2019年6月3日にオープンした同店は、開業当初から鳴り物入りの存在。
店主は、1号店『㐂九家』、2号店『㐂九八garage』において、次々と独自色が強い創作ラーメンを開発・提供。ラーメンの素材としてはあまり用いられることのない素材を、ギミックを駆使してラーメンというジャンルに落とし込むことにかけては名人級の手腕を持つ逸材だ。
同店におけるおススメは、「蟹SOBA」と「サーモンとイクラと生のりと山葵の和えそば」。
「蟹SOBA」は、蟹をジワリと利かせた出汁に、和テイストの出汁を、計算され尽くされたバランスでブレンドした、食べ手を選ばない「甲殻系ラーメン」のネオ・スタンダード。「和えそば」は、山葵と生のりが味の主役を担い、イクラとサーモンが、麺に絡む度に、個性的なうま味を口内で爆発させる、オリジナリティの塊。
強烈な引きの強さに誘われ、インターバルを置くことなく2杯立て続けに平らげてしまった。
「私が、こうしてラーメン職人として厨房に立てているのは、『大勝』という店に出逢えたから。初めて同店のラーメンを食べたときには、衝撃で身体が震えました。この1杯こそ、私が求めていたラーメンだと!」。
当時、店主はレストランの料理人を務めていたが、『大勝』の店主に頼み込んで弟子入り。今般、独立を果たすまで、『大勝』及び同系の実力店『中華そばまるき@松戸』にて、地道に研鑽を重ねた。
「ラーメン」と「つけそば」の2種類を用意するが、おススメは、基本メニューとなる「ラーメン」。
スープを舌上で転がせば、平子など数種類の煮干しをブレンドした出汁の芳香が鼻腔に充満。醤油ダレは、カドを立たせないように3種類の醤油を絶妙な配合でブレンド。醤油を寝かせて発酵させることで、キレ味を残しつつも、抜群のコク深さを演出することに成功している。
あらゆるうま味が収まるべきところに収まり、寸分の破綻もない。オープン早々にして圧倒的な存在感を放つ、規格外の新星だ。
引き続きご紹介するのは、神奈川を中心に複数店舗を展開する実力店『丿貫』初の暖簾分け店舗となる『木更津丿貫』。
店主は、ラーメン職人になる前は、飲食とは関係のない仕事に従事していた脱サラ組。
「『丿貫』と出逢い、その味に惚れ込んでしまいましてね。何度も通い詰めて常連となり、『横濱丿貫』で修業させてもらうことになりました」。
同店でラーメンづくりのノウハウを徹底的に頭に叩き込み、今般、満を持して、店主の故郷である木更津で独立。
基本メニューは、「煮干蕎麦」。出汁は、時季によって、用いるイワシの産地を変えるこだわりよう。煮干しの滋味のみを的確に切り出したスープは、丼を手に取り、丼から直接飲み干したくなるほど、うま味の「質」が高い。その他、牡蠣の芳醇な風味が印象深い「牡蠣の和え玉」も、単なる替玉の域を大きく凌駕した傑作。
随所に海の幸への造詣の深さが光る。内房ラーメンシーンを一変させる可能性を秘めた、注目の新進気鋭だ。
続いて紹介するのは、2019年5月21日に爆誕した、神奈川県の新店『さかなとブタで幸なった』。
店舗の場所は、JR南武線・武蔵新城駅から徒歩1分弱。白地に黒文字で描かれた屋号が、ひときわ強烈な存在感を放っている。
同店で提供しているのは、屋号から推察できるとおり、煮干し等の魚介と豚から出汁を採った「煮干らーめん」と「魚豚つけ麺」の2種類。初訪問時にチョイスすべきは、券売機最上段にメニュー名が掲記された「煮干らーめん」だ。
スープは、豊かなトロミが印象深い「豚煮干醤油」。
重厚なコクを持ち合わせた「豚」と、艶やかなうま味と香りを兼ね備えた「魚介」。共に個性が強い食材であるにもかかわらず、丼の中で一切の不協和音もなく仲睦まじく共存させる店主の手腕は、新店水準を明らかに超越。
肉厚&ジューシーなチャーシューも、フライパンで丁寧にローストした、手間ひまの結晶。無我夢中に食べ進めていると、いつの間にか丼が空っぽになっていた。
次にご紹介するのは、2019年8月1日にオープンした『らぁ麺桃の屋』。
店主は、先般復活した新宿の人気店『小麦と肉桃の木』の初代店長その人。彼女は有名店長だったから、面識のあるラーメン好きも少なくないだろう。
ロケーションは、各線小田原駅から徒歩10分弱。ウッド調の看板や扉周りがハートウォーミングな、女性がひとりでも入れる店構えが印象的だ。
現在、『桃の屋』では、「こくうま醤油らぁ麺」、「あっさり塩らぁ麺」の2種類のラーメンを提供。いずれの評判も上々だが、初訪問時にチョイスすべきは、メニューリスト筆頭を飾る「あっさり塩らぁ麺」。
出汁は、鶏ガラ・丸鶏等の動物系と煮干し・節系等の魚介を、ラーメン職人としての長年の経験に基づき、ブレンドしたもの。各種素材が手を取り合う重層的なうま味を、タレに含まれる「カンホア自然海塩」が後押しし、一段上の高みへと押し上げる。
繊細さの中に確かな技量が垣間見える1杯は、既に地元客を中心に絶大な支持を獲得している。
2019年6月26日、茨城県内屈指のラーメン激戦区・つくばの地に、大型新店が誕生した。
それが、ご紹介する『中華そばひしお-醤-』だ。
レギュラーメニューの「熟成中華そば」「ぬちまーす塩そば」は、既存の淡麗ラーメン提供店舗のトップ層も真っ青になるほどのハイクオリティ
加えて、オープンから3ヶ月余りしか経過していないにもかかわらず、矢継ぎ早に限定ラーメンを繰り出す怒涛の展開に、早くも、県内外のラーメン好きからの話題の的と化している。
マニア心をそそるメニューの充実ぶりに関しては、今年オープンした全国の新店の中でも1、2を争う同店。初訪問時であっても目移りすること必至だが、まずは「熟成中華そば」を召し上がっていただきたい。
味蕾に沁み入るような鶏の滋味が、スープの隅々にまで行き渡っている。エッジが利いた個性的な醤油ダレのうま味、芳醇な鶏油の香りなど、出汁以外の要素の出来映えも非の打ち所なし。思わず、喉音を立てながらスープを飲み干してしまった。
今年は、特に群馬のラーメンシーンが熱い。
北関東3県の中で最も活気に溢れているのは、もしかすると群馬かもしれないと思うほどだ。
ご紹介する『濃厚豚骨らーめん博多一路』も、今年の群馬の活況に大きく貢献している店舗のひとつ。店主は、『だるま大使』の元店長。
『だるま大使』と言えば、群馬で1軒食べるなら「ここに行っとけ」的な、群馬豚骨ラーメン界のガリバー。そんな実力店の店長が独立を果たしたとなれば、その存在をスルーすることは甚だ困難だろう。案の定、店の前には常に長蛇の列が連なっている状況だ。
現在、『博多一路』が提供するのは、「博多らーめん」「博多こってり」「一路らーめん」の3種類。
中でもおススメなのは、東京背脂醤油豚骨系の「一路らーめん」。
豚の野趣味の出し方から背脂の風味に至るまで、まさにパーフェクトのひと言。カエシからにじみ出る仄かな甘みも、食欲を無尽蔵に増進させる起爆剤と化す。麺の硬さも、まさに的確無比。全種類を制覇したくなる魅力を持ち合わせた良店だ。
2019年6月17日にオープンしたこちらも、活気づく群馬ラーメンシーンの立役者。
店舗の場所は、JR両毛線・前橋大島駅から徒歩10分弱。
料亭のような店構えは、食べる前からラーメンの内容の良さを想起させるに十分。入店すると、お洒落な券売機が来訪客を待ち構える。
現在、同店が提供するのは、「醤油ラーメン」「白醤油ラーメン」「塩ラーメン」の3種類。
いずれの品もギミックの粋を凝らした逸品ぞろいだが、初訪問時に召し上がっていただきたいのは、基本メニューである「醤油ラーメン」。
一見すれば、一般的な「淡麗醤油ラーメン」のような佇まいだが、カエシのうま味の質の高さが尋常ではない。スープの一粒が味蕾に接触するだけで、コク深い醤油の風味が味覚中枢のど真ん中を直撃。このスープに合わせる麺も、「このスープにしてこの麺あり」の絶品。
出汁、カエシ、麺のうま味を総動員して叩き出す「ハイスコア」。圧倒的なクオリティの高さを前に、感服するしかなかった。
「石を投げれば、ラーメン店に当たる」と言われる、栃木県随一のラーメンタウン・佐野。
佐野エリアには優に三桁に及ぶラーメン店が存在し、互いに切磋琢磨しながら、街の盛り上げに貢献している。そんな佐野市に、2019年7月14日にオープンした超大型新店が、『青竹手打ちラーメン麺や大山』だ。
店主は、都内の人気店『麺処ほん田』、及び、佐野エリアを代表する実力店『田村屋』で修業を重ねた上、『田村屋』の旧店舗を譲り受ける形で独立。
おススメは、基本メニューであり、佐野ラーメンの等身大の魅力が肌身で体感できる「らーめん」。
キラリと黄金色に輝くスープは、滋味深い鶏ガラのうま味が徹底的に引き出されたコクの塊。それでいて、旨味過多とは無縁の、何度でもレンゲを口へと運び続けることができる、研ぎ澄まされた味わい。
形状が不揃いでメリハリ豊かな食感が印象的な青竹手打ち麺も、麺を啜る喜びを満喫させてくれるハイエンドなひと品。今、佐野エリアで一番熱い注目店だ。
※この記事は2019年10月9日時点での情報です。
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通称「ラーメン官僚」。ラーメン食べ歩き歴20年以上、実食杯数は11,000杯以上に及ぶ。直近の数年間は、毎年700杯~800杯のラーメンをコンスタントに実食。2016年現在、日本でラーメンシーンの「今」を最もよく知る人物。