(cache)元SMAP3人と、のんでは事情が大きく違う理由 民放出演問題 : スポーツ報知

元SMAP3人と、のんでは事情が大きく違う理由 民放出演問題

 今年7月、ジャニーズ事務所が民放テレビ局などに元SMAPの稲垣吾郎(45)、草ナギ剛(45)、香取慎吾(42)を出演させないよう圧力をかけた疑いがあるとして、公正取引委員会が独禁法違反(不公正な取引方法)につながる恐れがあると、同事務所を注意したことが明らかになって3か月がたった。報道後、2016年に前所属事務所「レプロエンタテインメント」との契約トラブルを経て独立した女優・のん(能年玲奈=26)も、独立後にテレビ番組の出演本数が減ったとして、一部では「元SMAP・のん問題」として同列に取り上げている。

 ジャニーズ事務所は公式サイトで「テレビ局に圧力をかけた事実はない」と否定している。のんの前所属事務所・レプロは公取委から注意を受けていないので、「圧力」があったかどうかはここでは本筋にはしない。大きな違和感を感じるのは、元SMAPの3人と、のんを同列に扱うことだ。

 取材を通じての個人的な見解では、元SMAP3人については、ジャニーズ事務所が圧力をかけているのではなく、テレビ局側が忖度(そんたく)しているのが実情だと思う。むしろネットや映画に活路を見出し成功している3人側の方が、古巣に迷惑をかけたくないと気を使っており、地上波の番組に出たいかどうかは別として、あまり「圧力」報道をして欲しくない、と感じているようだ。のんに関しても事務所の圧力というより、テレビ局側の忖度があるのは同じだ。ただ、両者には明確に違う点がある。「契約」だ。

 元SMAPの3人が退所を発表した2017年6月の記事を振り返る。契約が自動更新となる6月までに退所を決断し、9月8日の契約期間満了を持って退所した。一方、のんの改名・独立は16年7月の写真誌「FRIDAY」のインタビューに応じる形で明らかになった。同日、レプロは「能年玲奈の契約につきまして」と題した文書を発表し、契約問題について「現在までその解決に至っておりません」と円満とは遠い形で真っ向から反論。表面的には契約満了とした3人と、事務所と対立したのんとは大きな違いがある。

 のんを巡っては、昨年10月に謝罪のためにレプロを訪問したことが、またもや「FRIDAY」の報道で明らかになった。レプロは「当事者しか知り得ないはずの訪問」が事前に外部に漏れたことに「不可解」「遺憾」と不信感を抱き「何ら解決には至っておりません」とコメントするなど、確執は今も消えないまま。元SMAPの3人に対して、退所時にジャニー喜多川社長(今年7月に死去)が「どこにいようとも、又どのような立場になろうとも、彼らを想(おも)う気持ちに変わりはありません。長年に渡って頑張ってきてくれた3人ですので、これからも沢山(たくさん)の人々に感動と幸せを届けてくれることと確信しています」と、公としては極めて異例の応援コメントを発表したことと、あまりに対照的だ。

 12年3月、カルピスウォーターのCM発表会見ではじめてのん(当時は能年玲奈)を見た時、愛くるしい顔立ちと透明感あふれるオーラに衝撃を受けた。同年、映画「カラスの親指」で報知映画賞新人賞を受賞した時は、スタッフとしても本当にうれしかったし、翌年「あまちゃん」でブレイクした際は「前から絶対に来ると思っていたよ」と自慢げに吹聴した。女優としての才能は素晴らしいものがある。

 だからこそ、まずは事務所との契約問題をうやむやにしたままにせず、一日も早くケジメをつけて欲しいと切に願う。(記者コラム)

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