
それはほんの僅かの差だ。だが、背の高い人は低い人よりも時間の流れが速いという。
相対性理論が予言する現象「
時間の遅れ」は、2人の観察者がいるとき、互いの相対的な速度差により、または重力場に対して異なる状態にあることによって、2人が測定した経過時間に差が出る。つまりは時間の進み方が異なるということだ。
これが背の高さによる時間の流れの差になるというのだ。
時間の流れは速度と重力が関係
時間は光速に近づくほどにゆっくりと流れるようになる。
たとえば、地球上に時計を置き、さらに光速に近い速度で宇宙を航行する宇宙船の中にも時計を置くとしよう。すると宇宙船の中の時計はずっとゆっくりと進むことになる。地球に比べて、時間の流れが遅くなるからだ。
また、時間の遅れは速度だけでなく、重力によっても生じる。だから重力を発生している地球の近くほど時間がゆっくりと流れるようになる。反対に、地球から離れれば時間の流れは速くなる。
これが相対性理論が予言した「時間の遅れ」という現象だ。
足より頭の方が時間の流れは速い、背の高ければなおさら速い
このことは、ちょっとした距離の違いであっても当てはまる。そのために、地球に少しだけ近い足元よりも、そこから離れた頭でのほうが時間の流れは速い。
同じことが背の高い人と低い人でもいえる。生憎なことに、背の高い人の方が速く時間が流れている。だから老化するのだって速い。ほんの微々たる差ではあるが。

Image by Gerd Altmann from Pixabay
「時間の遅れ」現象の証拠
アメリカ国立標準技術研究所による2010年の研究では、33センチ地面から遠ざかるごとに、79年で900億分の1秒時間が遅れることが確認された。
人間では知覚できない、ないにも等いズレだ。しかし、「地球物理学などの分野ではなんらかの応用も考えられるかもしれない」と同研究所は述べている。
また神経科学者のデビッド・イーグルは、身長約193センチの人の場合、爪先から脳まで信号が到達するまでに、157センチの人よりも10分の1秒長くかかることを発見した。
実在するタイムトラベラーは宇宙飛行士
なお地球を高速で周回している国際宇宙ステーションでも時間の遅れが生じている。そのために、この世の中には未来にタイムトラベルした人間が実在する。
それはロシアの宇宙飛行士の
セルゲイ・クリカレフだ。彼は803日9時間39分という宇宙で過ごした時間の最長記録保持者である。
国際宇宙ステーションは秒速7.66キロで地球を周回している。光速には程遠くても、人間的には相当なスピードであり、そのおかげで彼が帰還した地球は、もともと彼が生きていた世界の0.02秒後の世界だった。
References:Time is travelling FASTER for taller people – and this is how/ written by hiroching / edited by parumo あわせて読みたい
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コメント
1. 牛野小雪
この説だと子どもの頃の1日が長かった説にも説得力がある
2. 匿名処理班
逆じゃない?
背の高い方が時間の流れがゆっくりになるのなら低い人から見て長生きするのでは?
3. 匿名処理班
見えてる世界が違うのは確かだよね。
たまに踏み台に乗ったりすると、ほんの数十センチなのに全くの別世界だもん。
背の高い人は凄い世界を見ているなーと、何故か少しだけ尊敬してしまう150cmの私
4. 匿名処理班
断言します
髪の毛の量でも
時間差を感じる事があります
アインシュタインの
相対性理論は大嘘つきなのです
総ては髪の御心のままに
彡⌒ミ
(´・ω・`)
5.
6. 匿名処理班
ヒマラヤとかに住めば1億分の1秒くらい体感長く感じれるのか。すごいね
7. 匿名処理班
え?早いの?遅いの?
8. 匿名処理班
つまり、同じ人間の頭と足でも違う時間の流れに沿っているので、頭の方が早く老化すると言う事ですね>すね毛とハゲを見比べながら
ま、予想通り桁数が低すぎて実生活には影響がないレベルだったけど
9. 匿名処理班
>>身長約193センチの人の場合、爪先から脳まで信号が到達するまでに、157センチの人よりも10分の1秒長くかかる
そんなに違うの?
10. 匿名処理班
地面から遠ざかるごとに・・・地下で寝たきりと高層階で寝たきりとでは差が大きい?人間の寿命程度では微々すぎる差なのかな?おもしろい。
11. 匿名処理班
そうかタワマンに住むと早死にするのか(短慮)
12. 匿名処理班
0.02秒後の世界って言われてもねえ…だからどうしたとしか
13. 匿名処理班
そりゃ背が高くてハンサムで高学歴だと人の人生の何倍も得してるように感じるだろなあ
14. 匿名処理班
0.02秒後・・何か操作できそうな気がする
15. 匿名処理班
中学の時だったか授業で相対性理論の話が出て来た時に、この記事と同じ質問をした生徒がいて教師も「それは極端な話だ」って笑ってたけど、あながち同じ視点を持ってたってことだよな、バカだけど頭悪い奴じゃなかったし
16.
17. 匿名処理班
>>身長約193センチの人の場合、爪先から脳まで信号が到達するまでに、157センチの人よりも10分の1秒長くかかる
「大男総身に知恵が回りかね」が実証された www
18. 匿名処理班
もののついでのように神経学者の話を載せてるけど、スケールを考えたら「信号伝達の10分の1秒の遅れ」のほうが遥かに有意な差じゃない?
それに比べたら、数十年で900億分の1秒の差なんて無視できる量だよ。
で、信号が遅いってことは、体感時間は短くなりそうだな。
ある日突然身長が157から193に伸びたら、一日が24時間より短くなったように感じるかも。
19. 匿名処理班
年をとって腰が曲がってくるとまた時間もゆっくり流れるようになるのかな?
20. 匿名処理班
どうやって時間を計測してるのかが気になる
21. 匿名処理班
この時間のズレを観測することにより、位置を掴むことができます、つまり正確な時計を使って正確な位置を特定します、GPSと言います。
みなさん、ドライブレコーダーを購入なさる時は是非GPS付きをお買いください、それは「動かしがたい正確な時間を記録することで、真実を保存する」からです。
22. 匿名処理班
※1
この記事の内容としては、その考え方に同意。
けど実際は、10歳の子供の1年は人生の10分の1だが、30歳の1年は30分の1にすぎず、歳をとるごとに1年の比率は小さくなるということが大きいのだろう。
23. 匿名処理班
ネズミの方がゾウより1秒を長く感じるみたいな話かと思った
24. 匿名処理班
君も屈伸運動でお手軽タイムトラベルだ!
筋肉も付いてお得だぞ!筋肉は裏切らない!!
25. 匿名処理班
※2
ファンタジーでよくある天界の時間の流れがかなり遅いから相対的に天界人の方が不老に見える的あれのことやで
26. 匿名処理班
「頭と足元の時間の差」と聞くと
故・ジャイアント馬場御大を思い出してしまう
27.
28. 匿名処理班
※1
つまりハイハイ歩きすれば子供に戻れる・・・?
※10分の1秒長くかかる
身長が違うだけでそんなに変わる?ソースを探しても見つからない。
29. 匿名処理班
背の高さで影響が出るのなら、数千メートル級の高山の上で暮らしている人は、下山して来ると浦島太郎状態になるのか?まあ、塵も積もれば山となるとか何とか?100世代くらい高山の上で暮らすと、仙人になれるのかも知れん(そんなバナナ…)
30. 匿名処理班
じゃあ高層マンション住まいは・・・
全然違う発想だけど、
小さい方が脈拍が早く、大きい方がゆっくり脈打つ。
動物が一生のうちに脈打つ回数は大体同じらしいから、小さい(背が低い)方の時間の流れ(肉体老化速度)が早いと考えられる。
ネズミと象で比べるとやっぱそう。
概念の違いってのは分かるけど、全く逆の結果が出る。
31. 匿名処理班
記事の内容はタイトルと逆で早く動くと時間が遅く進むって事でしょ?
背が高い方が地球の中心からの距離が遠いし角速度保存則で時間は遅く進むはず
つまり長生きするってことになると思うんだけど
32. 匿名処理班
※9
10ぶんの1秒ね。10ぷんじゃないよ。
33. 匿名処理班
スプリント競技や金融トレーダーなんかは背が低い方が有利かもしれないという話でもないのね
34. 匿名処理班
宇宙はこんなに広いのに光の速さが遅すぎてがっかりしてた
日常生活でアインシュタインの相対性を実感しながら生きられたらもう少し希望が持てるのかな
35.
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