ベテランがチームを救った。アストロズは25日、敵地ワシントンでナショナルズとのワールドシリーズ(WS)第3戦に4ー1で勝利。シリーズ初勝利で、星を1勝2敗に戻した。メジャー16年目でWS初登板だった先発右腕ザック・グリンキー(36)が7安打、3与四球と苦しみながら4イニング3分の2を1失点と粘投した。
ヒンチ監督は「変化球を投げることを恐れない。細心の注意を払って投げることに徹する。彼に大舞台を任せることに恐怖心は一切ない。本当に長い間、ずっと結果を残してきた男だ」と、グリンキーへの絶対的な信頼を大リーグ公式サイトに語った。
土壇場の敵地で、たとえ絶好調でなくとも、数々の修羅場をくぐってきた経験値が生かされた。得点圏に走者を置き、7打数無安打。この日の直球は最速92マイル(約148キロ)。今季平均90マイル(約145キロ)は、規定投球回数クリア組のメジャー61人中55位という“遅球”だが、この日は67~77マイル(約108~124キロ)と球速差が16キロもある宝刀カーブを投げ分け、打者のタイミングを狂わせた。
2009年のサイ・ヤング賞右腕は、現役3位の通算205勝(123敗)。ロイヤルズ時代の06年はうつ病と社会不安障害でほぼ全休した。今季は7月31日、1対4のトレードでダイヤモンドバックスからトレード加入した。
アストロズは本拠地ヒューストンでの第1、2戦を「メジャー最強2枚看板」のコールとバーランダーで、ともに黒星。敵地で負ければ崖っぷちの第3戦だっただけに、勝利の意味は大きい。