ニュージーランド対イングランド(26日、横浜・日産スタジアム)のラグビーW杯準決勝で最も注目されるのが、指揮官同士のつばぜり合いかもしれない。
イングランドのエディー・ジョーンズ監督(59)=オーストラリア=は日本ではおなじみ。W杯では2003年に豪州の監督として準優勝、07年は南アフリカの技術顧問として優勝、15年は過去7大会で1勝の日本を1大会3勝へ導いた。4度目のW杯で、全て違う国と関わっている異色ぶりだ。一方、NZ出身のスティーブ・ハンセン監督(60)は、03年W杯でウェールズ代表監督として8強。04年からNZ代表アシスタントコーチを務め11年W杯優勝。12年から監督となり、15年W杯で連覇を達成した。
2人はともに選手としての代表歴はないが、現役選手だった20代からコーチのキャリアを積み、緻密な分析力と洞察力、リーダー育成に定評がある。ジョーンズ監督は教師、ハンセン監督は警察官からコーチに転身。社会経験で培われた洞察力、人間観察力も武器だ。
過去、W杯の決勝を監督として2度戦った例はいない。この準決勝は初の「監督として2度目の決勝を戦う男」を懸けた戦いでもある。