糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの

10月24日の「今日のダーリン」

・これ、これ、こういう日ですよ。
 「原稿をどうしても書きたくない日ってありますか?」
 とか質問を受けたりしますけれど、
 もちろんそれはあります。
 それでも、なんとか気を持ち直して書くのですが、
 持ち直せない日も、ないことはないんですよね。
 それが、たとえば今日なんですね。

 ひとつは、風邪をひいたかなという体調。
 通勤の帰りにかかりつけの耳鼻科に寄ったんだけど、
 もう本日の診療は終わりましたの時刻でした。
 熱があるわけじゃないのですが、だるいし、のどが痛い。
 一昨日、昨日は膝から下の筋肉ががちがちでつらかった。

 せっかく4連敗で日本シリーズを終われたので、
 そのあたりのことでも書こうかと思ったのですが、
 書き出して20行ほどすると後が続かなくなるんです。
 それを、二度ほど繰り返してたのですが、
 もういやんなっちゃった。
 巨人、来年に向けてなにをしようなんて、
 いちファンの立場ではどうにもならないし、
 日照りの夏のようにおろおろ歩こうかと思います。
 ほんとは、こんなふうなことを書こうとか、
 イメージはあるんですけどね、書き続けられないんです。

 それより、サバの塩焼きのうまいのを食いたいとか、
 明日は早めの時間にお医者さんに行こうかとか、
 じぶんそのもののことを考えちゃうんですね。
 ほんとうのほんとのところは、頭上には、
 野球にかかわる悲しみが黒雲のように残ってるんです。
 そんなこと考えていてもしょうがないと知ってるから、
 考えるのをやめようとするのですが、ついついねぇ。

 ここしばらくは忙しいというのがわかっているから、
 こんな状態では困るわけです。
 というようなグチみたいなことを
 読まされているあなたには、ほんとうにもうしわけない。
 この原稿も中断して細野晴臣さんの映画
 『NO SMOKING』を観てました。
 「いい人生やってきたなぁ、細野さん」と思いました。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ちょっと今日一日は休もうと思います。みんな、よろしく。