昨今テレワークの経験者が増えつつあるが、意外な愚痴をよく聞くようになってきた。自宅のリビングやダイニングでパソコンを使って作業したところ、腰や肩が痛くなったというものだ。

テレワークでの自宅作業で腰痛や肩こりに悩む人が増えている
(出所:PIXTA)
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 原因はずばり、テーブルと椅子にある。オフィス家具と健康への影響に詳しい内田洋行の猿田有光オフィス商品企画部企画課担当課長によると、一般にオフィス用デスクは72センチメートルであるのに対して、ダイニングテーブルの高さは65~70センチメートルだという。椅子の座面の高さはオフィス用が40~42センチメートルであるのに対して、ダイニング用は45センチメートル前後だ。

 つまり自宅のダイニングはオフィスと比べて「テーブルは低く、椅子は高い」という環境なのである。ダイニングの主な目的は食事だ。テーブルと椅子は食事をしやすい位置関係になっている。そんな環境ではオフィスと比べ、ノートパソコンのディスプレーとキーボードが低い位置になる。その結果、猫背になりやすく、長時間作業すると腰や肩への負担が大きくなる。

 自宅だけではない。カフェも店舗によっては同じ環境になっている。

テーブルが低いと猫背になる。写真はカフェなどで起こる極端な例だが、自宅のダイニングも背中に負担がかかる姿勢になる場合が多い
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 どうすればこの問題を解決できるのか。重要なのは「正しい姿勢」を保つように意識することだ。内田洋行の猿田担当課長は(1)姿勢、(2)目線、(3)座面の高さ、(4)時間の4つのポイントで対処法を考えるといいという。ポイントを1つずつ解説しよう。