ウィル・スミス主演映画『ジェミニマン』が約80億円の赤字になる模様

ウィル・スミスたちが指をくわえている間に『マレフィセント2』と『ジョーカー』が支配

『ジェミニマン』は、少なくとも7500万ドル(約80億円)の赤字を出して劇場公開を終えることになりそうだという。

The Hollywood Reporter(以下THR)によると、ウィル・スミスとウィル・スミスが対決するスリラー大作映画は、北米で2050万ドル(約22億2500万円)を下回るオープニング週末興行成績で幕開けした後に中国で公開されることになった。悲しいかな『ジェミニマン』は、先週末に中国でわずか2100万ドル(約23億円)のオープニング週末興行収益しか上げることができず、北米の収益も2週目で60パーセント下落した。北米と中国という世界で最大となる映画市場で受け入れられなかったため、最悪の事態を予想する時がきたようだ。

全公開地域が追加されても、現時点で『ジェミニマン』の興行収益は約1億1800万ドル(約128億円)。同作の制作費は1億4000万ドル(約152億円)だといわれており、マーケティング費用として少なくとも1億ドル(約109億円)が追加される。この映画は、主人公のヒットマンが若い自分のクローンと対決するというストーリーで、スミスと闘うために若い俳優を雇う代わりに、51歳のスミスの年齢を半分に見せるために大々的に視覚特殊効果が使用されている。

同作は4Kと3D、120フレーム/秒で撮影され、それが高コストの一因となった可能性があり、アン・リー監督は自身が手掛けたその前の映画でも同じ技術を利用し、Deadlineはその映画の予算は4000万ドル(約43億円)だと報じている。

確かに時代は変わった。以前は俳優の存在が大きかったが、今ではすでに人気が確立されたキャラクターとフランチャイズが大金を稼ぎ出しているからだ。

毎年スミスは、『アイ,ロボット』(2004年)や『最後の恋のはじめ方』(2005年)、『幸せのちから』(2006年)、『アイ・アム・レジェンド』(2007年)、『ハンコック』(2008年)など新作映画を公開し、大ヒットを放ってきた。その後にスミスは4年間の休暇を取り、2012年に彼にとって最大のヒットの一つとなった『メン・イン・ブラック3』で戻って来た。しかし、スーパーヒーロー映画やリメイク作品が映画館に溢れていたため、伝説の映画スターにとってもヒット作を生み出すのは容易ではなかった。『アフター・アース』と『フォーカス』、『コンカッション』、『素晴らしきかな、人生』も『ジェミニマン』のように芳しくないレビューを受け取った後に興行収益で残念な結果を出して終わった。スミスの他の劇場公開作は、人気キャラクターが中心となる『スーサイド・スクワッド』と実写映画版『アラジン』で、この2作が7年前に公開された『メン・イン・ブラック3』以来となる大ヒット作だが、両作ともに批評家の評価は低かった。

THRの記事によると、スミスは今でも映画1本につき出演料2000万ドル(約22億円)を手にしているという。『アラジン』の出演料は1250万ドル(約13億5700万円)だったが、10億ドル(約1100億円)映画のバックエンド利益を得たことで、出演料が2000万ドルを超えたとのことだ。Netflixの映画『ブライト』では、2000万ドルの出演料と配信後に生まれるだろう利益込みで2700万ドル(約30億円)を受け取ったという。同作の配信後にNetflixの定期契約者が増えたことで、予定されている続編ではさらに出演料が増えるものと見られている。

『ブライト』の続編の他に、『King Richard(原題)』でスミスはプロテニス選手のビーナス&セリーナ・ウィリアムスの父親役を演じ、ワーナー・ブラザース製作による同作で再び2000万ドルの出演料を受け取ると報じられている。

もっと『ジェミニマン』について知りたいという人は、同作でアン・リー監督が使ったカメラについて報じた記事も読んでみてほしい。

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ジェミニマン
リリース日: 2019年10月25日