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 2020年東京五輪のマラソン、競歩会場を札幌市に移す案をめぐり、国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長が25日午後、東京都庁小池百合子都知事と会談した。コーツ氏は会談後、札幌開催について「すでに意思決定はされた。IOCは決定権限を持つ主体だ。五輪憲章に基づき、常に選手の健康を優先して決定をする」と最終結論であることを強調した。会場変更でかかる経費は大会組織委員会の予算の予備費での対応を求めつつ、IOCとしても選手の宿泊費などを例に挙げて負担に前向きな姿勢を見せた。

 さらに、男女マラソンのメダリストの表彰式を閉会式で行うとともに、東京以外の都市で実施された競技の選手たちが閉会式参加を前に東京でパレードをする案も明らかにして、札幌への変更に理解を求めた。

 コーツ氏は、東京五輪の準備状況を確認するIOCの責任者。ドーハで行われた陸上の世界選手権では気温と湿度が高く、棄権する選手が相次いだ点、さらに東京五輪で競技が行われる都市で最も北にある、東京から北に800キロの札幌市の気候面などのデータを元にマラソン、競歩の開催地変更の方針を決めた理由を説明した。

 小池氏は、同日午後の定例会見で、コーツ氏にたずねたい点として、札幌を選んだ科学的根拠や会場を変更した場合の費用負担、観戦チケットを確保した人への対応などを挙げた。会談後、札幌開催が「最終決定」とコーツ氏に伝えられたかを報道陣に問われ、「そういう言葉はなかった」と述べた。

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