個人的にひとつ言いたいのは、厚切り牛タンは絶対にNOということだ。
仙台の名店と言われる店の多くが厚切りで牛タンを出してくるが、はっきり言ってありえない。
厚い牛タンなんてゴムみたいな食感で、あごは疲れるし味はボヤけるしすぐに飽きるし、全然牛タンとしての旨みを活かせていない。
あんなものを店で食うなら、土産用の薄切り味噌漬けを家で焼いて食ったほうが100倍美味いと、俺は思う。
こう思うにいたったきっかけは、20年ほど前、仙台に出張した際に地元の人に連れられて入った牛タン屋である。
夏の日だった。
地理には疎いが、仙台駅の西口から10分ほど離れたところだったと思う。ビルが並ぶ通りから少し裏道に入った場所だった。
ここで出された牛タンが薄切りで、その完成された味に驚いたのだ。
焼き魚を乗せるような長方形の皿に、飾り気無く盛られた牛タン。
意外なほど大量に添えられた漬物。
麦飯。トロロ。(案内してくれた人にこれは後半に食べろといわれた)
まあ、牛タンだし普通に美味いんだろ程度に思いながら肉を口に運び、そして打ちのめされた。
薄切りの肉一枚一枚に、牛タンの味が凝縮されていた。
肉は硬すぎず適度な食感を残している。
厚切りになどしたら下品で間抜けな味になるところを、旨みが一口にまとまるように絶妙のバランスで計算された分量だった。
今までの人生で食べてきた牛タンの美味さがすべてここに集結したかのような味である。よく出来たアニメの最終回と同じ感動だ。
試しに二、三口分をいっぺんに食べてみたらこれはもう方程式が狂ってしまい、途端に「違う」と感じた。
薄い一切れの味が濃厚で、一口食べるごとに「牛タンを食べた!」と満足するので、他の食材にも箸が進む。
この店のメニューは牛タンだけでなく、定食としての完成度が恐るべきクオリティだったのだ。
まずは当然麦飯。
塩加減が少し強い牛タンと一緒に食べると、少しパサパサめの麦飯が、まるで砂漠で飲む水のように喉を通過していく。
食事開始3分で気づけば茶碗は空であり、当然のごとくおかわりする。
そして名前がわからない手作りの漬物と、よくダシの取れたテールスープと、ここまで温存していたトロロ。
俺は漬物が嫌いだった。
しかしこのときから漬物を愛するようになってしまった。食前に残したらどうしようなどと思っていた自分が馬鹿らしい。
牛タンの旨みと野菜の瑞々しさが絡み合い、それを麦飯がやさしくそして力強く受け止める。
そこからあっさり目の味付けのテールスープをすすれば、ピリリと効いたコショウで食欲がさらに増進される。
これを何度か繰り返す。
牛タンの旨みを常に新鮮に味わい続けることができる、黄金の食事だ。
至福だ。
すでに麦飯を二杯平らげているので腹もそれなりに膨れかけているはずだが、ここでトロロを投入だ。
はじめは牛タンの美味さと余韻をトロロが壊すのではないかと恐れた。
刻み海苔が添えられ甘めのダシで味付けされた冷たいトロロは、牛タンの油と旨みでギトギトになった口と食道に、これまた清涼剤のように染み渡る。
例えるなら、大学時代にサークル仲間と一緒に行った海水浴だ。小学校の友達とプールの帰り道に飲んだラムネだ。
晴れ渡った青空とギラギラと照る太陽のイメージが脳裏に広がる。
夏だ!! 俺は今夏を味わい尽くしている!! と心から確信した。
行儀など気にする余裕もなく、とにかく目の前の牛タン定食を味わい尽くすので精一杯だった。
あまりの美味さに食事中はほとんど口も聞かず(案内してくれた人は食べる順番などを細かく指示してくれた。はじめは鬱陶しかったがあとから本気で感謝した)ガツガツと定食をむさぼり、店を出てからはひたすらに美味かった、本当に美味かっためちゃくちゃ美味かった、と連呼することしかできなかった。
案内してくれた彼は、特には言葉を返さずに、しかし心からの笑顔で静かに頷いていた。
それ以来、牛タンは薄切り派になった。
何年か経ち、また仙台に行く機会があったので当然のごとく牛タン屋に向かった。
一人だったので、とりあえず有名店なら外さないだろうと思って適当な店舗に入った。
しかし、出てきたのは厚切りのブサイクな牛タンで、タン特有の味や匂いがぼんやりと口中を漂うだけで美味くもなんとも無く、噛みきれない肉にイライラするだけであった。
テールスープもギトギトしているだけでアブラ水を飲んでいるようだった。
漬物だけの方がよっぽど食が進んだ。
しかし、これが有名店であり、地元民や観光客などから歓迎されているという事実に、さらに絶望した。
あれから何件か牛タン屋をめぐっているが、どこも厚切りのものばかりで、あの奇跡のような薄切り牛タンにはめぐり合えていない。
俺は少し牛タンを嫌いになった。
できることなら、あの店、あの奇跡の牛タン定食を出す店に、もう一度行きたい。
もう一度あの薄切りの牛タンを堪能したい。
そしてみんなにも行ってほしい。
ご存知の方がいたら、どうか店名を教えてほしい。
店はもう残っていないのかもしれない。
いや分かってるんだけど 都内でも普通に食えるって でもこういうの、抗いようがない何かあるよな 多分普段から牛タン食いたいとは思ってるんだ でもモチベーションが足りない そ...
牛タン以外だと喜久福が旨い。仙台で食えるもののなかで一番旨い。 もしずんだに嫌悪感が無いのなら喜久福をやっている喜久水庵ことお茶の井ヶ田が一番町店だけでやってるタピオカ...
anond:20190813123238 何やら仙台グルメの話が盛り上がっているが、 個人的にひとつ言いたいのは、厚切り牛タンは絶対にNOということだ。 仙台の名店と言われる店の多くが厚切りで牛タンを...
薄切りで旨い店に当たったんだな。 それはそれで良かったな。 俺は、厚い牛タンを勧める。 anond:20191024144908
笹かまぼこは白謙が好き。まあまあいい値段するけど。石巻で工場がなくなったけど復活して頑張ってる。 仙台駅エスパルの寿司ならすし哲。まあどこの寿司屋もうまいと思うよ。
たまに仙台に行って、地元の人がご飯を一緒に是非利休で、ってもてなしてくれるのは、歓迎してくれている気持ちが嬉しい反面、ほかに仙台らしい誇れるところは無いのかな…と心苦...
笹かまぼこ
ごめん、笹かまぼこはお祝いに出てくるレベルの食材なのかな…
なんか勘違いしてる人が多いけど、魚の加工品であるかまぼこは基本的に高価なものなんやで。おせち料理にも入ってるしお祝いに使われるもんなんやで。
牛タン以外でということをご所望のようなので、たまには真面目に書くぜ🍣 肉類で言えば、みんなが言うようにどうしても牛タンが有名なので 利休やたんや善治郎になってしまう事だ...
マジレスすると、寿司だと予算オーバーと言う付き合いだから牛タン選ばれるんじゃ… もっとお高い接待受ける場合は牛タンなんか行かないだろうし 千円の寿司じゃ東京で食っても変わ...
そうなんだろうか 利休で安くても1600円くらいだったが 牛タンの枚数増えれば2000円は越したはずなので、2000円だせば寿司も十分食えるはずなんだが。 ランチならなおさらね。
喜久福が美味い!喜久福が美味い!喜久福が美味〜〜い!! ずんだも抹茶も最高に美味い!大好き! 冷凍だし解凍後日持ちしないから全然人にあげられないけど超好き。
既出ですがエスパルのB1にもいくつかすし屋さんがあります。閖上のみせもあるので元増田(上増田)もぜひ行ってみてください
エスパルの地下にある寿司屋は塩釜の寿司屋だ もう仙台近辺にある街のものが=仙台だと思われてる気がする 宮城県=仙台
首都圏一帯のものは全部東京のもの、ってのと同じだろ
仙台に住んでいる者だけどマジで仙台には牛タンとか笹かまとか食いもんしかない 松島は仙台じゃねぇからな
や、八木山ベニーランド! 歌詞:わーいなんでもあるんだね
やんやんややーん八木山の〜♪
はらこ飯メーーッチャおいしかった!
ご飯じゃないけど喜久福一択 あれをいつでも食える環境は正直羨ましい
おちゃのいでたで生どら焼き食いたい
国分町の写楽って寿司屋美味しいよ あとは油そばが最近アツいからオススメ
うしたんしかうってないんだからしょうがないじゃん
ずんだを珍重するあたり仙台人の味覚は信用ならない