全国にある新幹線の車両基地のうち6割が、自治体が公表する浸水想定エリアにあることがJR各社への取材でわかった。台風19号では長野市にある北陸新幹線の基地で車両10編成が浸水したが、車両を避難させる手順など対応のルールづくりは各社とも進んでいない。
新幹線を運行するJR東日本、東海、西日本、九州、北海道によると、車両をメンテナンスしたり待機させたりする基地は全国に25カ所ある。このうち6割にあたる15カ所が、自治体ごとに「1千年に1度」や「100年に1度」の洪水を想定した浸水エリアに含まれていた。
浸水の深さでみると、危険度が最も高いのは、今回浸水したJR東の長野新幹線車両センター。長野市のハザードマップでは10~20メートル未満とされていた。
次いで5メートル未満がJR東の新幹線総合車両センター(宮城県利府町)とJR東海の鳥飼車両基地(大阪府摂津市)だった。
このほか、JR西の広島支所(広島市東区)と岡山支所(岡山市北区)、JR九州の熊本総合車両所(熊本市南区)など8カ所が最大3メートル未満で、いずれも東京都内にあるJR東の東京新幹線車両センター、JR東海の大井車両基地を含む4カ所は最大で50センチ未満とされている。
浸水の想定エリアに含まれていないのは、JR東の小山新幹線車両センター(栃木県小山市)、JR東海の三島車両所(静岡県三島市)、JR西の博多総合車両所(福岡県那珂川市)など10カ所だった。
車両基地は通常、発着駅の近く…
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