スタート以来、日経 xTECHの名物コラムとなった「テクノ大喜利、ITの陣」。今回はその第5回だ。毎回、複数の識者に共通のお題(質問)を投げかけ、識者にはそれに答える形で論陣を張ってもらう。お題は日本企業のIT利活用の問題点やIT業界の構造問題、そして世間の耳目を集めたIT絡みの事件などだ。

 第5回のお題は「なぜ日本のIT産業は没落したのか」。回答する識者のラストバッターはITベンダーとユーザー企業双方の役員を歴任した有賀貞一氏だ。「なぜメインフレーム全盛期に日本のIT産業は世界と戦えたのか」との編集部からの質問に、「そもそも世界と戦ってはいない。質問の設定が間違っている」と手厳しい。そんな有賀氏が描く日本のITベンダーの未来とは?(編集部)

有賀 貞一(あるが ていいち)
AITコンサルティング 代表取締役
有賀 貞一(あるが ていいち) 1970年に野村コンピュータシステム(現・野村総合研究所)入社、ニューヨーク駐在事務所長などを経て、1994年に常務取締役。1997年にCSK(現SCSK)入社、専務取締役に就任。金融システム事業本部長など歴任し、2005年にCSKホールディング代表取締役。2008年にミスミグループ本社代表取締役副社長。2011年に AITコンサルティング株式会社を設立し代表取締役に就任。現在、中央電力やアイリッジの取締役などを兼務。
【質問1】なぜメインフレーム全盛期に日本のIT産業は世界と戦えたのか
【回答】世界と戦えてはいない。技術をまね廉価物を作り、国内需要の伸びに助けられただけ
【質問2】日本でマイクロソフトやSAP、GAFAが生まれない理由は何か
【回答】コンピューターで一番重要なのは基本ソフトウエア(OS)、そんな常識が分かっていないから
【質問3】人月商売が主たる事業となったITベンダーに未来はあるか
【回答】これはやり方次第で「ある」と言える。難しいが

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