今回はニッカウヰスキー(アサヒビール)がリリースした2つのハイボール缶を飲み比べてみます。
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淡麗辛口ハイボール

ラベルには強炭酸を使っていることを謳っていますが、ウイルキンソン タンサンとは書かれていません。アルコール度数が7%と低めで、瀬戸内産のレモンエキスを入れていることが特徴となっています。

実際に飲んでみると、レモンならではの、軽い苦味を伴った爽やかな香りと直球的な酸味が口に広がります。
その奥からはウイスキーらしいカラメルの甘い香りとウッディさが追いかける印象です。
後味や残り香で、やっとレモンサワーではないぞと言うのが理解できます。

ウイルキンソン ハイボール9%

アサヒ飲料がリリースしている炭酸水、ウイルキンソンを使用したハイボール缶です。

ウイルキンソン タンサンの持つ強炭酸の強い刺激と9%の高いアルコール度数を特徴としています。

実はニッカウヰスキーとして、ブラックニッカハイボール缶もウイルキンソン タンサンを使っていますが、この製品は具体的なウイスキーの銘柄が書いていません。

実際に飲むと、アルコールから来る辛みがしっかり伝わってきます。その後にモルト、樽香、カラメル、バニラがほのかに得られます。

淡麗辛口ハイボールに比べれば、レモンエキスがない分、ウイスキー感はしっかりくるものの、ブラックニッカクリアレベルで、それ以上の香りの広がりがやってきません。

比較として、先日紹介したブラックニッカ リッチブレンド コンフォートアロマ(1:4割)と比べると、シェリー樽原酒からのブドウらしさ、リメード樽からのシナモン、ウッディさが一気に広がり、比較的甘めのハイボールになり、2つのハイボール缶が大きく霞んでしまいます。

安酒ハイボールを出してどうする?

残念ながら、2つのハイボール缶共に、安酒を使った感が否めなく、サワーやチューハイに対してのアドバンテージを感じられません。

どちらも350mLで141円、500mLで191円ですので、プレミアム感を意識したものではないと言えるでしょう。相手にしているのは角ハイボールでは無く、トリスハイボールなのでしょう。

個人的には、350mLで250~300円で、スーパーニッカやフロム・ザ・バレルのハイボール缶を出して貰いたいと思います。

淡麗で爽快感のあるものとは対極的で、甘い香りと味わいのある芳醇なハイボールとして、従来のハイボールに物足りなさを感じる消費者に十分なプレミアム感を出せるのではないかと思います。

ニッカ、アサヒも、単純にサントリーが火をつけたハイボール人気に便乗せず、それ以上のハイボールを提供して欲しいと思います。