金委員長、韓国が建設のホテル撤去を指示 北朝鮮の観光地で
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、国内の観光地に韓国が建設したホテルなどの施設を撤去するよう指示した。国営メディアが23日伝えた。
この日、東部の金剛山観光地区を視察した金委員長は、観光施設について「被災地に突貫で作られたテントのようだ」と語ったという。
金剛山観光地区はかつて、北朝鮮と韓国の協力体制のシンボルとされていた場所。しかし金氏は、韓国の関与なしに管理する方がよいと判断したとみられる。
記者らは、金氏の発言は、北朝鮮が最近発している、生き残りと成功のためには「自足」が必要だとするプロパガンダを反映していると指摘している。
金剛山観光地区は朝鮮半島有数の景勝地として知られる。1990年代、韓国企業によって観光施設が建設された。
厳しい規制が敷かれたものの、何十万人もの韓国人が観光に訪れることができた。だが、2008年に観光客の女性が北朝鮮兵に撃たれて死亡して以来、ツアーは中断されている。
2011年には北朝鮮が施設の資産を接収し、現地に残っていた韓国の公務員を追放していた。
朝鮮中央通信(KCNA)はこの日、金委員長が同地区を視察し、施設が「粗末」で「国の魅力が全く加味されていない、ただの寄せ集めに過ぎない」と話した。
KCNAによると、金氏は「韓国側の全てのみすぼらしい施設を撤去し、我々独自の現代的な施設を建設すべきだ」と指示した。
また、この観光地区が南北関係の象徴とされるのは間違っており、代わりに独立を表すものになるべきだと話した。
「金剛山は我々が血の犠牲を払って手に入れた土地で、ひとつの崖、ひとつの木にいたるまで我々の主権と尊厳を表している」
北朝鮮の国営メディアは、金委員長を力強く、国民を鼓舞する指導者として描いている。10月初めには、国内最高峰である白頭山を白馬で駆ける写真を公開した。
北朝鮮と韓国の関係は、現在冷え切っている。
北朝鮮は、韓国がアメリカと合同軍事演習を続けていることを批判しており、夏には韓国政府との全ての協議を中止した。
両国は名目上、現在も戦争状態にある。朝鮮戦争は休戦協定をもって1953年に休戦となったが、平和協定は結ばれていない。