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【競馬・ボート・競輪】[競馬]天皇賞・秋 アーモンドアイ、上々の仕上がり2019年10月24日 紙面から
「第160回天皇賞・秋」(GI・27日・東京・芝2000メートル)の出走予定馬が、東西トレセンで23日、追い切った。GIホース10頭が参戦する史上最高メンバーの戦いだが、主役アーモンドアイが、美浦Wの併せ馬であっさりと先着フィニッシュ。6月安田記念以来のぶっつけ本番も上々の仕上がりと動きを披露した。一方、栗東CWでは3歳馬サートゥルナーリアが、馬なりながら鋭く末脚を伸ばし、打倒アーモンドへ、アピールした。 まだだ。この先を見せてくれ-。直線半馬身抜け出したアーモンドアイの右肩に、ルメールがステッキを1つくれる。まったくの馬なりで僚馬の前に出た。でもそれだけでは、地力のベースが高いこの馬の状態は計れない。だからジョッキーは、キャリア最高の相棒に、もうひと伸びを要求した。反応は期待通り。最後のわずか2完歩で、もう半馬身伸びる。背中のバネの性能が違う。 外・先行ノチェブランカ(4歳3勝クラス)、中・サトノラディウス(3歳2勝クラス)の内に入って、きれいに2馬身半ずつの縦列で加速に入ったのが向正面5F標。3頭とも完全にコントロールされて4角は間合いを詰めて1馬身縦列。内外できれいに順番が入れ替わった1馬身縦列がゴールだ。時計も高水準に違いないが、びっくりするほどではない。だからルメールは、ものさしになる最後のひと伸びを要求した。 「彼女は仕事をよく分かっているからね。楽に併せてきていたが、最後は少しリラックスし過ぎていた。ズブかったわけじゃないよ」。1週前に乗って、まだ把握し切れていなかったわずかな仕上がりの加減を、このステッキ1つでつかみきった。 だから3冠牝馬の状態についての説明も明瞭だ。「追い切りの内容もちょうど良かった。先週は追った後に息が上がっていたが、今回は全然疲れていない。休み明けだが、すごくいい競馬ができるね。状態のキャリアハイは昨年のジャパンC。それにくらべて80%くらいだね」。負けられない一戦を前に「現状で八分」と断言するのは、相棒の地力を信頼しきっていなければ到底できない。 GI馬10頭がそろった史上まれに見る好メンバー。それでもジョッキーは「日本でアーモンドアイが一番強い。3歳馬だけが初対戦だが、アーモンドアイが一番強い」。サートゥルナーリアの背中も知った上。大事なことだけに、2度繰り返した。 3冠牝馬の秋初戦は伝統的に国内の古馬最強を決める競走だ。「現状八分、それでも勝つ」という構えの先に、ルメールは相棒とのさらなる高みを見ている。 (若原隆宏)
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