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【プロ野球】

巨人をスイープ! ソフトバンク、PS10連勝で3連覇

2019年10月24日 紙面から

巨人に4連勝で日本シリーズ3連覇を果たし、胴上げされるソフトバンク・工藤監督=東京ドームで(伊藤遼撮影)

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◇日本シリーズ<第4戦> ソフトバンク4-3巨人

 令和最初のプロ野球の日本一を決めるSMBC日本シリーズ2019は23日、東京ドームで第4戦があり、ソフトバンク(パ2位)が巨人(セ優勝)を4-3で下して4連勝とし、南海、ダイエー時代を含めて球団初の3年連続で10度目の日本一に輝いた。就任5年目の工藤公康監督(56)は史上初のポストシーズン10連勝で4度目の日本一。パの球団が7年連続で日本シリーズを制し、優勝回数はセ、パのチームが35度で並んだ。MVPは今シリーズ3本塁打のソフトバンクのジュリスベル・グラシアル内野手(34)が選ばれた。

 喜びを示すように、工藤監督は選手会長の柳田と抱き合った。そしてナインの手で10度、宙を舞った。長嶋巨人が王ダイエーを退けた2000年の「ON対決」から19年。巨人のエースだった左腕が、今度は監督として巨人を倒す数奇な運命の中にいた。

 19年前は巨人の第1戦先発。記憶はおぼろげだ。「あの時は藤井のこともあったから…」。シリーズ開幕8日前の10月13日、ダイエーの中継ぎで活躍した藤井将雄投手が31歳で死去。工藤監督が前年まで所属したダイエーで兄と慕ってくれた。泣きながらひつぎを担いだ後、臨んだマウンド。古巣相手に勝敗なしの7イニング3失点でまとめた。

 1999年。エースとしてダイエーを初の日本一に導いて王貞治監督を胴上げした。そのオフ、球団フロントとの摩擦で移籍を決意。メジャー挑戦も考えた。12月のある日。福岡のなじみの店でちゃんぽんを頼んだ後、携帯電話が鳴った。巨人の長嶋茂雄監督が福岡空港に来ているという夫人からの連絡。慌てて自宅に戻る。「あっ、セコムのおじちゃんだ!」。当時8歳で現在俳優の長男・阿須加の口を「バカ、何言ってんだ」とふさいだ。「男の花道を飾ってくれ」。長嶋監督に見つめられ、翌日、巨人行きを決めた。

 翌年の日本シリーズ第1戦で敵としてダイエーと対した。「今考えると、7回3失点というのは良かったんじゃないかな」。自らに勝敗がつかなかったことをよしとする唯一の試合。天国の弟分、王監督への複雑な思いがあった。

 現役を引退していた14年のオフ、王球団会長から直接監督就任を要請された。筑波大大学院に通い、子どもらへの野球教室をライフワークにする決意を固めた時期。「王会長からでなければ断っていたと思う」

 守備中はどっしりとベンチに座り、攻撃中は立ち上がって戦う意思を示す姿勢は、長嶋監督から自然と学んだ。王監督から学んだのは、勝利への執念。「後悔しないように」勝利だけを追い求め、短期決戦では時に非情にも見える采配をふるった。巨人との対戦が決まると、自宅のデータ解析用の大型モニターで、坂本勇、丸両選手の映像を何度も見た。そして「指示」ではなく「ヒント」として選手に伝え、攻略につなげた。

 「最高の仲間と野球ができて、こんな幸せ者はいない。球場に来てくれたファンの声援が支えてくれた。勝利はファンに心からささげたい」

 3年連続日本一は自身が所属した西武以来。歴史の糸がいくつも絡んだ対決で、3年連続の栄冠を手にした。 (倉成孝史)

 

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