男子ゴルフの日米両ツアー共催で初めて行われるZOZOチャンピオンシップ(賞金総額975万ドル=10億5300万円、優勝175万ドル=1億8900万円)開幕前日の23日、会場である千葉県印西市のアコーディア習志野CCで、石川遼(28)=カシオ=がプロアマ戦に参加。生涯初のアルバトロスを記録した。
18番パー5(562ヤード)の第2打、石川が残り261ヤードを3番ウッドで打つと、ボールはゆるやかに右に曲がるフェードの球筋を描いてグリーンへ。ピン3メートル手前に落ち、そのままカップに転がり落ちた。パー3でのホールインワン(イーグル)よりも難しい、人生初のスーパープレー。米ツアー再挑戦の手掛かりにしたい大事な試合の前日、思わぬ形で起きた吉兆だ。
この日は一般非公開のため、ギャラリーはおらず、その瞬間に歓声はなし。本人からもカップインが見えず、パターを持ってグリーンへ上がった。ボールが見えないため、カップの中をのぞき込んだら…という、あっけない達成のシーンだった。しかし、ボールを見つけると笑顔になり、一緒に回っていたアマチュアらとハイタッチ。コースに向かって深々と頭を下げた。
“持ってる男”は「まさか、こんな日に、こんな週に出るとは」と、うれしいよりびっくりの表情。「明日のとっておきたかった?」と聞かれても「アルバトロスまでいくと、ないですね。でも、仮に入っていなくても、思った通りに打てた。イーグルやバーディーが取れたはず」と満足そうだ。
千葉県は台風15号や19号で大きな被害が出た。「世界最高峰の大会。千葉の町がゴルフの力で元気になってもらえれば」。まずは前哨戦で、自身がその中心になった。